名探偵ポワロ 杉の柩(ひつぎ)

名探偵ポワロ 杉の柩(ひつぎ) ドラマ

2023年の「名探偵ポワロ」の「杉の柩」をみました。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。



今回の作品は一人の女性の身に起こった人間ドラマといった感じの
描かれ方でしたね。
失恋に、殺人、容疑者、死刑宣告と、主人公の女性に怒涛の展開の中
最後に希望があってよかったです。


事件のあらすじ
婚約したエリノアのもとに謎の手紙が届いた。
資産家の伯母の遺言が書き換えられ遺産相続できず
おばは亡くなってしまうという内容。
気になったエリノアは親戚で婚約者のロディとともにおばの元へ向かう。
そこでロディは庭師の娘の美しいメアリに心惹かれる。
そんな中体が弱っていた伯母はなくなり、遺言はなかったため
すべてがエリノアのものとなった。


ポワロは別件で村に滞在中
伯母の主治医ロードが手紙についてポワロに相談するよう提案しました。
どうやらすでに解決した事件の裁判のため村に滞在中でしたが、
もう飽きてしまっていました。
ポワロはロードの力を借りて捜査に乗り出します。


第2の殺人が発生
エリノアはロディが去ってしまい憔悴していた。
伯母の荷物の整理を看護婦のホプキンズやメアリが手伝う。
エリノアは彼女たちのためにランチにサンドイッチを作り、
ホプキンズが紅茶を準備して食事をとる。
それぞれ用事があってその場を離れたが、数時間後メアリが死亡した。


ポワロが気づいた事件のポイント
・ラベルが一部破れたモルヒネのラベル
・メアリは亡くなった伯母の子どもだと気づいていた
・メアリが死んだ当日ホプキンズの腕にバラのとげで刺した跡があった

関係者を呼び出して嘘を暴きながら真犯人に迫る
ロディロードを呼び出す
(庭の赤いバラを一輪切りとった)
→ロードは第2の事件当日現場まできていたことを隠していた
・看護師オブライエンを呼び出す
→第1の事件当日エリノア以外はずっと自分がついていたと証言するが他にも出入りした人間はいた
・看護師ホプキンズを呼び出す
(持っていた赤いバラをカップに入れた)
→ホプキンズが刺されたといったバラにトゲはない
→メアリの伯母であること
→モルヒネのラベルの一部はアポモルヒネ(嘔吐する薬)だと指摘


犯人は看護婦ホプキンズでした。
ポワロにアポモルヒネのことを指摘されると罪を白状しました。
ポワロが毒が紅茶に入っていたことを指摘すると、認めました。
直前でポワロにお茶を入れ、ポワロが飲んでいるのを見届けたからです。
今回はポワロを毒殺し、お茶を飲んだ自分はまた毒を吐き出して助かるつもりでした。
しかしポワロがお茶を飲んでいないこと、飲んだふりをして苦しそうな芝居をしていたとしると襲いかかりましたが、警察に取り押さえられました。

ジェットコースターのような展開の先にあった顛末
ホプキンズが取り押さえられた後、ポワロはエントランスで待つロードに声をかけ、

屋敷を出ました。
ロディは呆然とその姿を見送りました。
エリノアに屋敷にあった赤いバラを届け無罪放免を伝えます。

ポワロ「外にいる人が説明してくれます。
    その人にお礼を言ってください。
    (中略)
    (メアリの)死を願うことは罪ではありません。
    お行きなさい」

外で待っていたのは主治医のロードでした。
二人は一緒に車に乗って帰っていきました。
ポワロはその姿を見送りました。


エリノアの少しはにかんだ笑顔がうれしそうでよかったです。

★★★★★★
今回はいつもと違い、すごくスピード感がありました。
特に犯人逮捕の日はエリノアの死刑執行の日だったようです。
そんな中関係者を呼び出して、ウソを暴いていく、赤いバラを持って。
呼び出した当日、赤いバラを切ったポワロはロードにそのバラを渡します。
普通に掴んでいたのでトゲがないことが分かりました。
エリノアはロディが去ってもロディに遺産を残し、

最後までメアリの死を望んだ自分を気にしていました。
すごく誠実な人なのでロードと幸せになってほしいと思いました。
ロディも決して悪い人物ではなかったです。
エリノアの犯行ではないと彼女の潔白を信じていました。
でもエリノアを裏切った、そしてメアリにプロポーズしようとしていた。
まあ・・・そういうものなんでしょうね。

【番外編】エリノアが婚約破棄を切り出したやりとりが秀逸
エリノアが遺産をすべて相続することになり、ロディと今後の話になります。
エリノア「結婚するの?」
ロディ「それがいいと思ったけど、もちろん君が嫌だと言えば・・・」
エリノア「ロディ、正直に言ってちょうだい!」
ロディ「ごめん、僕はどうかしてるんだ」
エリノアはロディに指輪を返します。
エリノア「結婚するの?」
ロディ「分からない」
エリノアはフランスでしばらく過ごせば気持ちも落ち着くから結論はその後でも
いいと諭します。
ロディ「僕はふさわしくない」「すべて夢のような気がする」

このやりとり、男性心理をものすごく表していると思いました。
結婚したくないとは言わない、でも待っていると言われると
それはいらないといい、自分はどうかなってしまったと

曖昧な言葉で濁すのみ・・・

エリノアが可哀想でした。
冒頭のシーンでは二人は幸せそうだったのでまさに天国から地獄でした。

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