古畑任三郎 しばしのお別れ 山口智子

古畑任三郎 しばしのお別れ 山口智子 テレビ

2022年4月14日(木)は「古畑任三郎 しばしのお別れ」を見ました。
これは本当は新ドラマ「やんごとなき一族」の初回が放送される予定だったのですが、コロナでスケジュールが間に合わず、古畑任三郎シリーズの最高視聴率34・4%だった「しばしのお別れ」の放送となったそうです。
以下、感想とネタバレです。


古畑(田村正和)は部下の今泉(西村まさ彦)に連れられてフラワーアレンジメント教室の体験教室に来ました。
そこで教室を主宰する二葉鳳翠(山口智子)とあいさつを交わします。
鳳翠は今泉に今度の発表会に出ませんかと誘い、今泉はすっかりその気になります。
発表会の日、鳳翠が注射器をじっと見つめています。
古畑が受付でチケットを買っていると、秘書を連れた二葉鳳水(長内美那子)が表れます。
受付の女性がにわかに慌てだし、チケットの手配をしようとするので、古畑は
「僕が先でしょ」と受付の人に文句を言いますが、相手にされません。
すると連絡を受けた鳳翠が現れて挨拶をするも、鳳水は鳳翠が出演したテレビを見てないと話し
「なるほどザワールドを見ちゃった」と言い放ち、二人の間には険悪な空気が流れます。
その様子を古畑はじっと見ていました。
その後古畑は今泉の楽屋に行って鳳水と鳳翠の関係を聞きます。
元は鳳水のもとでフラワーアレンジメントをやっていたが、今は袂を分けていて、二人の間は犬猿の仲という評判だと聞きました。
古畑は持ってきたケーキを食べて楽屋を後にします。
今泉は「僕に持ってきてくれたんじゃないんですか?」と食い下がるも古畑は相手にしません。
古畑のすぐ後ろの座席に鳳水と秘書が座りますが、鳳水はすぐに秘書に食事に行ってきて、外で待っているように指示を出します。
古畑は座席でスイーツを食べているのを注意されると一気に食べて自販機でドリンクを買おうとすると故障中だと言われます。
鳳水は一目を避けながら鳳翠の楽屋を訪れます。
「もうみんなに話したの?」と鳳翠に聞きます。
「意地を張ってないで戻ってきなさい」と鳳水は笑います。
鳳翠は
「誕生日プレゼント」と言ってグリーンの石がついたネックレスを自ら鳳水につけます。
鳳水はその様子をじっと見つめますが、それに気づいた鳳翠はふっと鳳水から身を離します。
鳳翠がお茶を入れてる手元が映ります。
鳳水が鳳翠に触ろうとしますが、鳳翠は腕を振って嫌がります。
しかし鳳水は鳳翠の背中を叩いて
「あんたはそうするしかないの!」と言います。
出て行った鳳水が飲んだ茶碗をじっとみつめる鳳翠でした。
座席に戻った鳳水は前に座る古畑が邪魔だったようで、軽い咳払いをすると座席を移ってしまいます。
楽屋で栄養ドリンクを飲みほして準備をしていた鳳翠ですが、鏡をみて驚愕の表情をします。
ステージが暗くなり最初は鳳翠が出てきました。
踊りながら花を生けるパフォーマンスをします。
鳳翠は正面をぐっと見据えます。
次に出てきたのは今泉でした。
サンバのリズムに合わせて花を持って踊っています。
鳳翠は舞台袖から走り出しました。
鳳翠は衣装の上から黒い羽織を着て、すっと客席に滑り込みました。
眠っている鳳水の横に座ると腕に注射をします。
次にネックレスを回収しようとしますが、近くに人が座ったようで、ネックレスを引っ張るも外れません。
結局そのまま舞台袖に戻ってきました。
舞台ではひどいパフォーマンスを続ける今泉の照明が落とされてしまいました。
古畑が頭を抱えます。
鳳水が発見されて古畑が調べています。
首に紐のあと、腕に注射針の跡を発見します。
秘書に鳳水の病歴について確認すると、心臓が悪く病院に通っているが最後に行ったのはここ数日より前だと聞きます。
古畑は鳳翠の楽屋を訪れます。
テーブルにあった栄養ドリンクに触れます。
鳳水が亡くなったこと他殺の可能性があるから警察を呼んだこと、自分が捜査一課の刑事だと告げます。
鳳翠の顔色が変わりました。
客席に移動した二人は古畑は口の周りによだれがでていたことから鳳水が眠っていたようだと話します。
そして鳳水が睡眠薬を飲んでいたため注射をされても無抵抗だったのはないかと離します。
鳳翠は睡眠薬なら鳳水自身が持っているから自分で飲んだのだろうと言います。
しかし古畑はあの日自販機は壊れていた、睡眠薬は粉薬で水なしには飲むことはできないと言います。
古畑は会場スタッフから座席表とチケットの販売状況を知らされて頭を抱えます。
当日券も出ているので、誰がどこに座るのか事前に知ることは困難だと気づきます。
しかも鳳水はステージが上がる少し前に席を移動しているので、どうやって鳳水を探し出せるのか方法が分かりません。
鳳翠はスタッフから急遽入れた赤のライトについてうまくできていなかったかもと話しをしていました。
翌日鳳翠の事務所を訪れると昨日のステージのビデオを見ていました。
古畑は証拠品を出してテーブルに広げます。
今泉がビデオを見ていると古畑が暗くしないとよく見えないよと言って明かりを消します。
すると鳳翠がさっと電気をつけて
「今から先生のお通夜に行く」と事務所を後にします。
鳳翠が声をかけようとすると生徒らしき人がさっと姿を消します。
鳳翠は古畑らに一緒に通夜に行こうと誘います。
通夜の後、3人は食事の後、飲みに行きます。
眠りこける今泉の鼻に鳳翠がピーナッツを差し込んで遊んでいます。
すると古畑が睡眠薬を入れたからだと言いました。
古畑は鳳翠が以前看護師をしていたことを知りましたと言います。
今夜はとってもヒヤシンス
「何それ?ダジャレ?うわあ」
鳳翠の答えに古畑の目が光ります。
古畑と鳳翠は席をカウンターに移動して話を続けます。
今泉がどうして発表会に抜擢されたのか分かったと話します。
年に一度の発表会だから弟子のステージも見たい、でも全部見ると殺しに行く時間がなくなるから、どうでもいい見なくてもいいような人間を混ぜたのだと言います。
「今夜はとってもヒヤシンス」は昨日のステージで今泉が言った言葉で鳳翠は今日になって倍速で録画を見たから、今泉が何を言ったのかは知らなかったと指摘します。
古畑は鳳翠が鳳水とある特殊な関係だったのではないかと聞きます。
そして一人こっそり楽屋に来て、鳳翠が睡眠薬を飲ませたのではないかと疑います。
鳳水が背中を叩き、手の跡がついてしまい、それを隠すために急遽赤いライトを入れるように照明に頼んだのではないかと推測を離します。
手の跡が残っていることを知られると誰かが楽屋に来ていたことを知られてしまうからです。
それを否定する鳳翠でしたが、そういう関係を求められていたことは白状します。
古畑はそんな鳳翠を賢いと褒めます。
鳳水を殺した証拠がないことを指摘します。
しかし鳳翠さん、解けない謎はないんです
「強気ね、古畑さん。」「解けたら真っ先に私に知らせて」
「いやー楽しい夜でした、おやすみなさい」
古畑はバーに戻って眠りこけている今泉を起こそうとネクタイを引っ張ります。
すると首に跡がついてしまったのをみて、古畑はバーを立ち去ります。
今泉はそのまま放置され店員が困っていました。
古畑は遺体の検視をする部署を訪ねて証拠品を見て何かに気づきます。
最後の謎です。
いったい二葉鳳翠はどんなトリックを使って

暗闇の中で鳳水先生を殺害したんでしょうか。
ヒントは死体の首にあったあざ。
もうおわかりですね。
古畑任三郎でした。


古畑は鳳翠の事務所を訪ねます。
もう帰るから一緒にどうだという鳳翠に古畑はもっと早く気付くべきだったと答えます。
この部屋でビデオを見ているときに部屋を暗くするとトリックが露見してしまうのを避けたかったのだと指摘します。
そしてネックレスをソファに置くと部屋を暗くします。
ネックレスのグリーンの石が明るく光りました。
あなたがプレゼントをしたんだと指摘します。
秘書がネックレスはつけていなかったと証言していると古畑は話します。
鳳翠は自分があげたという証拠はないと言うと、古畑はそうかもしれないが犯人はあなただと言います。
犯人は舞台の上に立っていた人物です。
暗闇で光っていられるのは5分が限度です。
鳳水先生が席を立ってから5分の間にステージに立っていたのはあなたです、と指摘します。
いつから怪しんでた?
古畑は最初に楽屋に訪れた時に飲み干したドリンク剤がまだ冷たかったからだと言いました。
今夜はこれから警察がやって来ることを知っていて気合を入れたんですね、と話しました。
涙を浮かべ呆然としている鳳翠の肩に古畑がストールをかけると鳳翠はいつもの調子で話します。
私きっと帰ってくるから
古畑が差し出した栄養ドリンクを飲み干すと古畑が手を差し伸べます。
その手を取ることなく鳳翠は
「行こう」と部屋を出ていきます。
一旦電気を消して部屋を後にしますが、証拠品のネックレスを取りに戻って再び部屋は暗闇に包まれました。


古畑任三郎は今見ても面白いですね。
この回では山口智子さんがゲスト、ということで犯人役でした。
この古畑任三郎は三谷幸喜脚本作品ということで、仕掛けがいっぱいです。
ベースにあるのはアメリカの刑事もの「刑事コロンボ」なんです。
三谷さんは刑事コロンボのような作品を作りたかったと話していました。
オマージュってやつですね。
刑事コロンボでは、まず最初に事件が起こります。
犯人役のゲストが事件の前から犯行を犯すまでのシーンが放送されます。
そして間髪いれずコロンボ刑事が登場します。
犯人がコロンボ刑事と言葉を交わしているうちに、どこからかコロンボ刑事はゲストを犯人だと疑います。
ゲストは現場に残した遺留品を隠そうとしたり、コロンボ刑事を恫喝してみたり、色んな工作をします。
が、最後はコロンボ刑事に見破られて終わります。
その期間はたった数日や下手すると一日二日ということもあります。
犯人としては犯行を犯してすぐにあった刑事につきまとわれる感じになるので、もう心臓バクバクです。
そういう伏線を知ってから見ると、この「しばしのお別れ」がより楽しめると思います。
三谷さんは古畑任三郎については田村正和さんでやりたいという気持ちが強くあるようで、残念ながら田村さんが亡くなってしまったのでもうこのシリーズが見れないのかと思うと残念です。
でも私も古畑任三郎は田村正和さんのを見たいなと思います。
また再放送を期待しています。

古畑任三郎 第2シリーズ スペシャル しばしのお別れ

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