2023年4月5日(水)の「にっぽん百低山」は「龍王山・奈良」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
登山のスタート地点である奈良県天理市の石上神宮を歩く類さん。
2021年12月中旬の映像だそうです。
今回は登山といっても古墳をめぐる登山だそうで、楽しみですね。
ゲストの逢香さんのお仕事の妖怪書家って何だろうと思いましたが、斬新なデザインの妖怪画や寺社への奉納作品まであるそうで、妖怪はリアルで本格的です、すごいですね!
今回登る山:龍王山(標高586メートル)
今回のゲスト:逢香さん(妖怪書家)
今回のルート:石上神社~山の辺の道~衾田陵~崇神天皇陵~龍王山古墳群~不動明王~龍王社~龍王山
山道とは思えない道からの古墳
最初は鬱蒼と木の生えるいかにも山道といった感じだったのですが、30分ほど歩くと、まるで民家の脇道と思えるような平坦な道になりました。
見えてきたのが衾田陵(西殿塚古墳)3世紀後半ころに作られたと言われる古墳です。
全長230メートルの前方後円墳。
古墳は山のように木が生い茂っていて、手付かずの山となっています。
龍王山には600基もの古墳があるそうです。
崇神天皇陵(行燈山古墳)は4世紀に作られた古墳で、これも立派です。
じゃんじゃん火の伝説
龍王山にある伝説で、じゃんじゃんといって火の玉が降り注いだそうです。
じゃんじゃん火・・・雨が降りそうな夏の夜に龍王山に無数の火の玉が現れ、じゃんじゃん音を立てながら襲ってくる
龍王山は異界へとつながる場所のようだというナレーションにちょっとびっくり。
一気に山道モードへ
先ほどまでの民家の脇道のような山道が嘘のように鬱蒼としたいかにも山道という道になりました。そばに沢があり、先ほどの平地の道が嘘のようです。
一人で歩くのが怖いぐらいですね。
盛り上がった丘は龍王山古墳群
杉林となった険しい山道を歩いていると、山道からぽこっと盛り上がった丘が見えます。近づくと石窟になっていて、これらはすべて龍王山古墳群でした。
6世紀から7世紀に作られた古墳です。
許可を得てその一つに入ると入口は狭かったのに、中は大人が立って3人ぐらいは入れる広さになっていました。
石棺がある石室もある程度の数見つかっており、ステータスのある人が葬られていたと考えられるそうですが、未調査ということでした。
龍王山古墳を読んだ柿野本人麻呂
『衾道を 引手の山(龍王山)に妹を置きて 山路を行けば 生けりともなし』
龍王山に妻を葬った悲しみを読んだ詩です。
ここから推測するに、この龍王山に眠るのは古代国家の官僚や家族だったのかもしれません。
道が細く石段が続く
段々と道が険しくなってきました。石段は高くはないのですが、二人ともしんどそうです。稜線に出ると小さな池が見えました。
水源になっていて、「柳本龍王社」とあり、水の神様である龍神さまを祀っています。
龍王山の名前の由来は龍神さまからきているそうです。
この地はいにしえより雨ごいが行われた聖なる場所でした。
山頂には戦国時代の武将十市氏の城跡が
お城の階段がそのまま残り、今は山道の石段として使われていました。
しかしお城の跡は何もなく、これが龍王山城の跡地ということでした。
しかしここにはかつて巨大な山城があったそうです。
城の本丸があった場所は開けており、ここが山頂でした。
十市氏のその後とじゃんじゃん火
十市氏の山城はその後攻め込まれ、城主や家臣は火の手があがった城と共に命を落としました。龍王山に現れるじゃんじゃん火は無念の思いを抱えて亡くなった人々の人魂とも言われています。
下山の後のお楽しみ:店名分からず、立派な構えのお店です
お酒の種類はよくわかりませんが、おそらく日本酒をあつかんで飲み、お料理は奈良発祥ともされるにゅうめんでした。
今日の一句 狐火や 筆を止めたるあとの闇 吉田類
★★★★★★★★★★
龍王山は色んな印象を持つ山でした。最初はとてものどかであり、次は古墳がたくさんあるロマンがあって、最後は細い山道を歩くザ登山という感じでした。
戦国時代を生きた武将が龍王山にいたのも、ロマンを感じました。
にっぽん百低山 毎週水曜昼0時20分~ NHK総合
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