2022年4月27日(水)の「シャーロック・ホームズの冒険」は「三破風館」でした。
以下、感想とネタバレです。
ワトソンとハドソン夫人が部屋に飛び込むとホームズを窓に押しやり首を絞めつけている男性を目撃します。
その男スティーブは「ハーロウから手を引け」と警告に来たと言います。
言うだけ言った男をハドソン夫人が背中をぽかぽか叩いて追い出してしまいます。
スティーブも用事が済んだので退散したかったのか、笑っています。
ワトソンが理由を聞くと、手紙を見せてハーロウにある三破風館と呼ばれる建物に住むメアリー・メイバリー夫人からここ数日自分の身に起こったことについて相談したいとありました。
以前メアリーの夫のモーティマーと面識があり、その経緯でホームズに手紙を出したようです。
メアリーの住む三破風館を訪れるとワトソンが飾られた絵を見て
「これはダグラス・メイバリーじゃないですか」と話します。
メアリーは孫のダグラスがつい一か月ほど前に亡くなったと話します。
しかしメアリーは相談したいのは孫のことじゃないと言って、自分の身に起こったことを話し始めました。
三破風館に引っ越して1年ぐらい経つが、最近屋敷を買い取りたいという不動産業者が訪ねて来たといいます。
メアリーは近所に空き家も多いのにと業者に聞きますが、ここがいいと依頼主が言っています、値段は言い値で結構だと話しました。
メアリーは高く言いますが、それで話は通ってしまいます。
メアリーは驚きますが、それなら亡き主人と話していた世界一周の旅に出ようかと考えました。
すると翌日不動産業者が書類を持ってきたので、たまたまその場に居合わせたメイバリー家の弁護士に見せると、この契約書だと家のもの一切合切売却することになっていて夫人のものも何一つ持ち出せないようになっていますと伝えます。
業者にそのあたりを確認すると、依頼者は少々変わっているということで、もちろん確認をすれば問題ないものもあるかと思うが、原則としてはすべて売ることになるとの返事だったので、それなら断るとメアリーは伝えました。
この時、立ち聞きをしていたメイドのスーザンをステッキで引っ張り出して締め上げます。
黒幕の名前を聞くも口を割らないので、ホームズに出ていくように言われます。
スーザンは孫がなくなった一週間後にやってきたと話します。
話は孫のダグラスの話になりました。快活だった孫はすっかり変わってしまいましたと肩を落とします。
「女性?」とホームズが聞くもメアリーは何も言いませんでしたと答えました。
話を聞いたホームズは今日は誰かが泊まったほうがいいと話し、ワトソンにその件を頼みます。
帰り道で、ホームズは
「ごきげんよう、ディキシー君」と声をかけます。
ホームズを締めあげていたスティーブ・ディキシーでした。
彼は一言も言わずに走り去りました。
ホームズは三破風館の東屋にあったテーブルにもたれかかるとふとした拍子に隠し引き戸が開きました。
中には「D」のイニシャルが入ったロケットが入っていました。
ダグラスのものです。
開くと中に髪の毛と目元を潰された写真が入っていました。
メアリーが屋敷の中から心配そうにホームズたちを見ていました。
ホームズはラングデール・パイクに会うことにしました。
彼はスキャンダルで食べている社交界の生き字引でした。
ホームズはダグラスの相手がイザドラ・クラインという名で、彼女は砂糖王の富豪の未亡人で大変な美人であり、近々若いローモンド公爵と結婚する予定だということでした。
ワトソンに「今夜は徹夜のつもりで見張っていてくれ」と言います。
ホームズは自分は別の角度から追ってみると言って自宅から出ていきました。
クライン夫人は報告を受けていました、三破風館から今夜にも取り戻さなければならないといい、シャーロック・ホームズが出てきたことを聞きました。
「頭はいいの?」
「まあ有名ですよ」
「でも女については?」彼女は物思いにふけりました。
ローモンド公爵の屋敷で華やかなパーティが開かれています。
ラングデールも登場して歩み寄るホームズに
「感謝の言葉を述べるまで借用書は破らんぞ」と楽しそうに話します。
ホームズはクライン夫人はどれだと聞きます。
ラングデールはダグラスとクライン夫人の恋の顛末を離します。
ダグラスはロンドンでも屈指の好青年だったが恋多きクライン夫人にとって大した資産もない外交官などもってのほかだったと言いました。
ラングデールは彼女と話はしないほうがいいと警告します。
「恐ろしい女だ」と彼女を見ながらつぶやきます。
建物の二階にローモンド公爵の母が見えました。
ホームズが指をあげて合図を送ります。
ホームズはクライン夫人のそばを通り過ぎます。
ホームズが振り返るとクライン夫人も振り返りました。
そのあと通りかかった彼女の一味の男に「こんばんわ」と声をかけてホームズは立ち去りました。
三破風館ではワトソンがメアリーの昔話を聞いていました。
ホームズはローモンド公爵夫人にクライン夫人の過去についてスキャンダルがあると話します。
公爵夫人は早く公表して結婚を止めさせたいとホームズに嘆きます。
ホームズはもう少し時間が欲しいといい、こうやって公爵夫人とお会いするだけでもクライン夫人には十分効くはずですと言って帰って行きました。
三破風館の外で男たちが家の様子を伺っていました。
メアリーは書類箱から書類を取り出し階段を上がろうとすると男どもに捕まって書類を取られてしまいます。
銃を持って駆け付けたワトソンに
「私より、追ってください、取られました。あれを取り戻して!」と言います。
ワトソンは追いかけるもスティーブ・ディキシーが立ちはだかります。
善戦しますが、最後は東屋から投げ出されガラスに頭を打ち付けて気を失いました。
その一報を聞いてホームズが三破風館に駆け付けると頭に包帯を巻いたワトソンが出てきました。
ホームズはメアリーに会いに行きます。
メアリーが気づくと、ホームズはそっとメアリーの手に指先で触れました。
「取り戻してくださいました?」
「何をです?」
メアリーはホームズに詫びました。
アレが関係しているとは思いたくなかったが、と戻ってきたダグラスのことを話しだします。
ダグラスは本を書いていた、あの吹きさらしの東屋でずっと書いていたと話します。
原稿は2部、一部は誰かに届けられ、もう一部は出版社に届けるようメアリーに言って亡くなってしまいました。
すぐ送るべきでしたが、葬儀の後に読むとダグラスの生涯の話でした。
ある女との恋愛についてで、これは大変なことだと感じました。
しかしメアリーはたった一枚だけ自分が取り戻したと一枚をホームズに渡しました。
自宅でホームズはワトソンと手紙の一部を読みます。
「顔は血にまみれ、残酷な攻撃を受けた腹はー」
「それが死因だ」
「脾臓破裂から肺炎を起こした」
ホームズはスティーブ・ディキシーの元を訪ねます。
そこはボクシング場で屈強な男がゴロゴロしている場所でした。
ダグラスを殺したのが誰かは関係ない、クライン夫人は全員を絞首刑に送るだろうと言い放ちます。
スティーブは下を向きました。
「ただし、助かる道がひとつだけある!いいか、しっぽは握っているぞ!」
帰っていくホームズに男どもがかかろうとしますが、スティーブが止めました。
ホームズはクライン夫人の元を一人で訪ねました。
ワトソンはその姿を見送ります。
クライン夫人に声をかけると、ローモンド公爵はここで話すようにいいますが、逆にクライン夫人に帰されてしまいます。
ホームズはメアリーが持っていた原稿を見せます。
「スティーブ・ディキシーはあなたに不利な証言をするでしょう」
結婚を止める権利が自分にはあるというホームズに、クライン夫人は不敵に笑いました。
「私が外国人だからですか?」
「私の一族は代々フェルナンド?を支配してきた一族なんですよ」
そういうクライン夫人にホームズは
「マダム」
「あなたはアンダルシアの片隅に生まれた名もなき女だ」
クライン夫人は逆上します。
「誰に聞いたの?」
「これが職業なんでね」
クライン夫人は今度は泣き落としにかかります。
自分が見える場所でダグラスを殴らせたと指摘されても動じません。
「地位による保証がただひとつの幸せ、それをあなたは奪うつもり?」
ホームズはワトソンに危害を加えたことを責めます。
「こちらの要求としては木曜の朝までにローモンド公爵との婚約破棄を発表すること」
「世界一周の旅はいくらかかるだろう、メイバリー夫人に5000ポンドの小切手を送ってもらおう、ささやかな償いだ」
「いつかどこかの王の愛妾となったあなたに会うだろう」
ホームズは立ち去りました。
クライン夫人はスペインへ旅立ちました。
木陰でホームズとワトソンがクライン夫人の件を書いた新聞を見て話をしていると、それを建物越しに見ている男の方に顔を向けます。
ラングデールでした。
彼は紙を破り捨てました。それが彼女の名前を書いたメモだったのか、借用書だったのか分かりません。
ワトソンがどうして見逃すのかと聞くと、立証ができないから示談にしたんだと言いました。
「彼女ももう若くはない、時の力には逆らえんよ」というと公園を立ち去りました。
実はホームズを演じたジェレミー・ブレットはこの時体調が悪く撮影中に倒れてしまったそうです。
しかし映像を見る限りではそんな感じはありません。
確かに少し太ってはいますが、眼光の鋭さはいつも通りです。
この撮影があった2年後に亡くなるなんて残念です。
この作品はとても面白かったです。
クライン夫人とローモンド公爵との年の差は20歳だそうですが、確かにそれぐらいはありそうな勢いでしたね。
クライン夫人の悪女ぶりとダグラスの執念とローモンド公爵夫人の心痛とラングデールの生き様という色んな要素が詰まっていて見ごたえありました。
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