シャーロック・ホームズの冒険 レディ・フランシスの失踪

シャーロック・ホームズの冒険 レディ・フランシスの失踪 テレビ

2022年2月23日(水)の「シャーロック・ホームズの冒険」は「レディ・フランシスの失踪」でした。
以下感想とネタバレです。


ワトソンからの手紙をホームズは自室でパイプをくぐらせながら読んでいました。
ワトソンは休暇中のホテルで出会った人々の様子を事細かに手紙に書いていました。
シュレシンジャー少佐の素晴らしさ、看護婦のミス・コルダーの深すぎる献身ぶり、中でも一番特筆すべき人物はレディ・フランシス・カーファックスだと書いてきました。
少々風変りという評判通りの人物だと書いていました。
レディ・フランシスのヨットの腕前は素晴らしいと湖畔の教会でも評判になり、教会からヨットで帰ろうとする彼女を見送ったそうです。
ワトソンは歩いてホテルに戻っていたが、その時レディ・フランシスがバランスを崩して湖に落ちました。
ワトソンは何もできずに事態を見ることしかできないでいた時、一度は周りに助けを呼んだシュレシンジャー少佐が車いすごと湖に飛び込んで腕の力だけでレディ・フランシスを見事救助しました。
シュレシンジャー少佐は時の英雄となり、ミス・フランシスは彼の慈善活動に寄付すべきかとワトソンに話しかけました。
そんな時彼女から散歩に誘われました。
子どものころ、この地で過したこと、兄のラフトン伯爵が明日来ることについて話していると、馬に乗った髭の男を見て動揺した彼女は、そのままホテルへ走り去ってしまいました。
ラフトン伯爵も風変りな人物だとワトソンは評します。
ミス・フランシスが保守的なものを愚弄していたが、兄は保守の信奉者というタイプだと感じました。
ワトソンは彼女が気がかりで、何とか元気になってほしいと思っていました。
するとまた馬にまたがった髭の男を見かけます。
ホテルの部屋でレディ・フランシスはお金を貸してほしいと兄に頼むも、そんなお金はないと言われてしまいます。
そんな兄に「あなたは心底冷たいのね」と声を荒げます。
兄は良い縁談があったのにと嘆くも彼女は一蹴しました。
私はこのみじめな人生から抜け出したいの!」彼女は叫びます。
ホテルの別の一室ではシュレシンジャー少佐の公演があり、慈善活動に寄付をお願いしていました。
レディ・フランシスは兄から言われました。
「つまりお前さえその気なら改善はできる」
「どうやって」
「わかっているだろう!」
部屋を出て行こうとする兄に
最後の希望なのよ!」と食い下がるも兄は部屋を出ていきそのまま帰っていきました。
レディ・フランシスは打ちひしがれた様子で窓を眺めていました。
ワトソンはその様子に気づき、ホテルのロビーで気にかけていると、涙をぬぐったレディ・フランシスは受付でシュレシンジャー少佐の公演について尋ねていました。
もう終わったと言われて入り口に目線を向けるとあの馬に乗った髭の男が近づいてきました。
もう来ないで!」というとレディ・フランシスは二階に駆け上がりました。
ワトソンが男に声をかけるも立ち去ってしまいました。
ホームズは真剣な表情で手紙を読んでいましたが、ふと新聞の「アルメリア号の悲劇」という記事に釘付けになりました。
夕刊を手に取るとハドスン夫人に馬車を呼ぶよう大声を出しました。
ホームズは警察を訪ねます。
するとなにか資料を捜していました。
ホームズは今度は自宅に戻ると電報を出すようハドスン夫人に頼みます。
「僕は出かける」
ハドソン夫人はホームズの電報を読み上げます。
レディ・フランシスに重大な危険 目を離さぬこと そちらに向かう ホームズ
ワトソンは電報を受け取ると大急ぎでレディ・フランシスを探します。
ワトソンが彼女の部屋を訪ねるとホームズがいました。
彼女は失踪したよ
ワトソンはホテルの従業員から、彼女がホテルの支払いもせず、荷物も持たず姿を消したことを知りました。
ワトソンはさきほどまで見かけていた人物がいなくなってしまったことに冷静さを保てません。
ホームズは兄のラフトン伯爵の屋敷に行こうと馬を走らせました。
ラフトン伯爵は喧嘩腰でしたが、馬に乗った髭の男の話をホームズがすると
「グリーンか、縁が切れたと思っていた」と話しました。
貴族ではあったが身持ちを崩した男で詩人と名乗り、あちこちで問題を起こしていたが、妹と交際していたと話します。
ある時グリーンは告訴され、お金とオーストラリア行きの切符を渡したと兄は話しました。
ホームズから口論の原因を聞かれると金だと話しました。
妹は貴重な宝石を相続したから、お金に困ったらこれを売ればいいと話しました。
「どこにありますか?」と聞くとラフトン伯爵は言いよどみます。
ホームズが鬼気迫る表情で迫ると
「フェルベルのオックスフォード・ロンバード海上銀行です」と答えました。
翌日銀行に到着した時、すでに10時20分を過ぎていました。
ホームズは注意深く周りを見渡します。
二階から一階を眺めていると、馬に乗っていた髭の男グリーンが入ってきました。
すると銀行の人間が二人に声をかけます。
「頭取にお会いしたい、個人用貸金庫の件だ」
とホームズが答え隣を見るとワトソンがいません。
一階を見ると髭の男グリーンに声をかけていました。
「レディ・フランシスはどこだ」
ワトソン!
ホームズが呼ぶもワトソンは髭の男に食い下がります。
そのまま男が立ち去ろうとするのでワトソンが捕まえようとしました。
二人が騒ぎだすので銀行の警備員なども出てきました。
すると髭の男が
フランシス!」と呼びました。
レディ・フランシスは後ずさって裏口から走り去ってしまいました。
ホームズの自宅でホームズとワトソンがグリーンは対面していました。
ワトソンとグリーンはレディ・フランシスを見失った責任を感じて沈んでいました。
ホームズはグリーンに昨日の出来事について聞きました。
グリーンはレディ・フランシスがホテルを出るのを見て、後を追いかけてロンドン行の列車に乗り込みました。
彼は財を成したから結婚してほしいと頼むも、レディ・フランシスは断りました。
その後サザック橋で見失ったと話します。
我々は彼女を救おうとして最悪の敵のもとへ追いやってしまったのだ
ホームズは沈んだ声で話します。
シュレシンジャー教授は本名はピーターズと言って詐欺師で殺人者だと話します。
ピーターズのやり口は財産を持った独身女性に近づき、宗教的心情に訴えて財産を奪い取ると言います。
へレナ・ローゼンブルグもそんな一人で慈善活動に熱心な女性だったそうです。遺言書を書き換え、人生を変えるべくアルメリア号に乗り込むも亡くなり、シュレシンジャー少佐も船を降りて、今度は次のターゲットとなるレディ・フランシスに出会ったということでした。
ホームズは質屋に行って、レディ・フランシスが売ったアクセサリーを見つけて戻ってきました。
グリーンは自分はずっと彼女を忘れられなかった、ようやく一角の人間になって戻ってきたと言います。
彼女が独身だったからきっと自分のことを受け入れてくれるだろうと思っていたと肩を落とします。
彼女のためになにかできないかと頼むとホームズは質屋を見張るように言いました。
質屋に宝石を売りにきたのはシュレシンジャー少佐の看護婦でした。
看護婦は立ち寄った先で
「遅かったじゃないの」
特注品なので時間がかかったのですよ」と話をしているのを、グリーンは聞きました。
グリーンは看護婦の後を付け自宅を突き止めます。
すると棺が運び込まれるのを目にしました。
グリーンはホームズに報告すると、今すぐシュレシンジャー少佐の家に行かなければと慌てます。
ホームズはスコットランドヤードに許可をもらうために手紙をグリーンに渡します。
グリーンは納得しませんが、ホームズが行くように追いやります。
ホームズとワトソンは葬儀屋から葬儀が明日開かれることを知り、シュレシンジャー少佐の家に乗り込みます。
シュレシンジャー少佐は立って部屋にいました。
ホームズが問い詰めてもありきたりな受け答えをするのみです。
ワトソンが銃を見せて部屋を探すというと、シュレシンジャー少佐は
好きにしなさい」と椅子に腰かけました。
ホームズは部屋を探し、柩を見つけますが、中にいたのは老女でした。
ホームズたちは退散するしかありませんでした。
ワトソンはレディ・フランシスはシュレシンジャー少佐から逃げてもういないんじゃないかと話します。
何も言わずに部屋を出ていくホームズでしたが、夜中にまた戻ってきました。
特注品なので時間がかかったのですよ
看護婦が葬儀屋と話していた言葉を考えます。
朝日が昇るころホームズは大慌てでワトソンを起こします。
墓地では葬儀が行われていました。
そこにホームズが止めに入ります。
なぜ小柄な老婆のために深い棺が必要なのだ
一分間で棺のふたを開けた者に一ソブリンづつだ!
すると棺は引き上げられました。
シュレシンジャー少佐は走ってその場から逃げました。
「ワトソン!」
ワトソンは追いかけて少佐の脚を撃ちました。
棺の老婆の下にレディ・フランシスが寝かされていました。
クロロフォルムを嗅がされてぐったりしています。
完全な失敗だ
ホームズは呆然としていました。
グリーンからその後についての手紙が来ました。
レディ・フランシスはグリーンに寄り添われて少女時代を過ごした場所で静養していました。
懐かしい人々に会って目覚ましい回復を遂げていると手紙にありました。
兄のラフトン伯爵は彼女と口論した後悔からすっかり取り乱しているそうです。
最後にホームズにお礼をしたいとお金を同封したとありましたが、ホームズは受け取れないと言いました。
これほどの失意はぼくにとって初めての経験だ

グリーンが彼女に呼びかけます。
しかし彼女とは目も合いません。
グリーンは彼女の後ろに静かに座りじっと佇んでいました。

ラストが切なかったです。
グリーンがお金の面でも面倒を見ていると思いますが、レディ・フランシスは別人のように一言も話さなくなってしまいました。
それでもグリーンは彼女のそばにいたいということでしょうか。
命を助けた今なら気持ちが通じるかもしれないのに、彼女は変わってしまったなんて辛すぎます。
今回はホームズが何度も失敗して結果的に被害者を死なすことはなかったものの、大きな後遺症が出てしまい、最後のシーンは本当に落ち込んでいました。
事件が起こる予感を感じ、手を打ったつもりが、その間をすり抜けてしまったという喪失感があるのでしょう。
しかしレディ・フランシスはグリーンが結婚を申し込んでも考えを変えなかったことから、彼女自身がそちらに行ってしまったのです。
レディ・フランシスが最後の希望といったのがこのような結果になるなったのが、なんとも切ないです。
シュレシンジャー少佐は車いすだったはずなのに、レディ・フランシスが銀行から帰って姿を現したときは歩いていたところから、もうこの時には彼女を亡き者にするつもりだったのだということがよく分かります。
最後は走って逃げるぐらいということは、ホームズが自宅に押し掛けたときのも全くいらないということなんですね。
看護婦だった女性は完璧な仲間でしたが、どういう関係だったのか最後まで謎でしたね。
でも手下というところで、別に大事な女性ということは全くなさそうでした。
しっかりしているが、どこか満たされないものがる人ほど、こういう罠に落ちやすいということなのかと、身に迫るお話でした。

シャーロック・ホームズの冒険 毎週水曜夜9時~ BSプレミアム

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