歴史探偵 3代将軍 源実朝

歴史探偵 3代将軍 源実朝 テレビ

2022年10月12日(水)の「歴史探偵」は「3代将軍 源実朝」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。

今回はタイムリーな人が登場していますね!

今回のゲスト:柿澤勇人さん(大河ドラマ 鎌倉殿の13人 源実朝役)

佐藤二朗さんとゲストの柿澤さんは親しい飲み友達ということで、冒頭から楽しそうに話していました。

源実朝とはどんな人?
信心深く、争いごとが嫌いで、和歌の才能があり、頭のいい人物だったのではないかと思われます。

実朝が宋へ渡航するというビックプロジェクト
宋の僧が実朝の前世は宋の仏教の聖地の長老であったという話をしたそうで、実朝は大型船を建設し宋へ渡航するプランを打ち出します。

<通説>現実から逃げるため中国への渡航計画を考えたと言われている
<最近の研究>宋と交易ルートを開き、莫大な富を呼び込もうとしたのではないか

【その理由として】
・実朝が作った船はおよそ200人が乗る船(遣唐使船よりも大きい可能性)
・和賀江島(現存する日本最古の港)ができるきっかけは実朝の造船計画から?
平氏が日宋貿易を盛んに行い、平清盛は大量の宋銭を輸入し貨幣経済ができつつあった
→まだ鎌倉にはそのルートがなかった

遠浅の鎌倉で大型船を浮かべることができるか➡失敗
・実朝が鎌倉を選んだ理由→将軍の権威のため?
・宋の僧は東大寺の大仏再建に携わるキャリアがあり今回の造船計画を指揮
・鎌倉での進水式を由比浦で行うが、対策を講じたものの上手くいかなかった
 →由比ガ浜より深さがあって穏やかな浦
 →大潮の時に行う(海が満潮になって海面が上昇する)

実朝は百人一首にも選ばれる和歌の名人

世の中は 常にもがもな なぎさこぐ 海女の小舟の 網手かなしも
(世の中の様子がいつまでも変わらないでいてほしい なぎさで漁師が仕事をする
ごくありふれた光景をみて こうした状況がずっと続けばと切なくなってくる)

和歌は政治のツールとして使われ、後鳥羽上皇と藤原定家を通じて和歌の指導でやり取りを重ね、自身の後継者として後鳥羽上皇の皇子を一人出してもらう約束を取り付けました。

実朝暗殺事件の黒幕は?

実朝暗殺事件
ある夜鶴岡八幡宮を参拝した際に2代将軍頼家の息子公暁に暗殺された事件
→公暁は父の殺害に実朝が関わったと思っていたとされる

(容疑者①)北条義時(その時は警護責任者)はその時どうしていた?
(吾妻鏡)当日は急な体調不良で家に帰った
(愚管抄)実朝が義時に中門で待機せよと指示を出した
→愚管抄の資料から可能性はとても低い

愚管抄:僧侶の慈円が書いたもので実朝暗殺当日に現場にいた人間から話を聞いて書いたものといわれる
→吾妻鏡よりも信頼性が高いと近年では言われている

(容疑者➁)三浦義村の可能性は?
義時と実朝を討つことができれば自分が実権を握ることができる
→源氏将軍家後家の北条政子とどう対峙するか
→実朝を殺害した公暁が次の将軍になることはなく、義村が公暁を使ってという説は無理がある
→義村の可能性も低い

実朝暗殺は公暁の単独犯だったのか?
2代将軍頼家の息子だった公暁は実朝に実子がいないことから、次の将軍は自分だと思っていたが、実朝は後鳥羽上皇の皇子に将軍の座を譲ることを決めてしまいます。
親王が下って来る前に実朝を排除し、自分が将軍になる必要があった
→単独犯行の劇場型犯罪だったのだろうと結論

実朝がいなくなったことで鎌倉幕府と朝廷、後鳥羽上皇との関係が悪化し、皇子を将軍に出さなかった。
ゲストの柿澤さんは実朝は争いを嫌い、とても信心深くいい人だったのではないかと言っていました。
実朝がいたら承久の乱は起きなかったかもしれないと思うと、歴史ってすごいなと改めて思いますね。

歴史探偵 毎週水曜夜10時~ NHK総合

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