新プロジェクトX スパコン 京

新プロジェクトX スパコン 京 テレビ

2024年6月15日(土)の新プロジェクトX
世界最速へ技術者たちの頭脳戦~スーパーコンピューター「京」~でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。

自動運転や豪雨予測など新時代の技術を可能にしているのは
スーパーコンピューター。
データの学習や解析を驚異的な計算速度で処理することができる。
1993年スパコン計算速度世界トップ500のうち107台は日本で

第二位だったが、2009年になると16台で世界6位となってしまった。
スパコン開発で世界一奪還という国家プロジェクトに挑んた人々の物語。

日本におけるスパコン開発の歴史
・1970年代後半から1980年代前半、日本メーカーは次々とスパコンを開発
・1990年代、アメリカは日本に高い関税を課し市場から締め出す
・日本は巨額の開発費に耐えられず事業を縮小していった

スパコンと富士通の歴史
ミスターコンピューターと呼ばれた池田さんが率いたスパコン開発部隊があった
2002年富士通で2万人のリストラが行われた
・スーパーコンピューター開発部隊は縮小に追い込まれた

スパコン開発の転換点
・2003年アメリカが次世代のスパコンを目指す国家プロジェクトを始動
・2006年日本も国家プロジェクトを始動
・富士通は参加するもスパコン事業部縮小から7年が過ぎる


再びスパコン開発に挑む富士通
・若手主体のメンバーだったのでその要にスパコン開発で結果を残していた

追永さんを据えようとする
・追永さんは固辞、そのまま開発はスタートする
<開発目標>
・計算性能が従来より200%アップ
・消費電力を半減


富士通CPU担当 吉田さん
・入社7年目
・最も難しい回路を任せられた

できるとも思ってなかったですけど、できないとは思わない
とにかくやってみよう
 CPU担当吉田さん

スパコン開発の光と闇
・国家プロジェクトである一方『金食い虫』と呼ばれることも
・失敗した場合損失は数百億にものぼる
・責任者は重圧にさらされる

サーバーシステム事業本部 技術長 追永さん
・入社までコンピューターを知らなかったが、先人が残した回路図を読み込み

原理を習得
・担当したすべてのマシンを成功へ導いた社内で伝説的な存在に
・当時50代半ばだったため自分が出る幕ではないと固辞したが何度も誘われる
・結果がすべての競争に疲れ果てていた
・入社以来出世に背をむけ不器用に生きてきた

入社して思ったのは上みて仕事するのやめようと思ったんです
要するに技術ってたくさん覚えることとか争うことが たくさんある
上を見ている時間があったら勉強していようっていう感じですよね
スパコンをやめたほうがいいのではないかと意見を言う人のほうが

偉くなっていった気がします
 吉田さん

CPUのつなぎ方で激論が起こる
<スパコン開発の課題のひとつであるCPUのつなぎ方>
・8万個のCPUをどんな経路でつなぎ合わせればデータを最も効率よく流せるか
・CPU同士を立体でつなぐ難解なアイデアが出た

(輪のようにつなぐの意の頭文字からトーフと名付ける)
・開発トップの木村さんは理解ができず説明を求めても安島さんは対応しない

本当は自分だけが分かっていればいいと思っています ぼくはいつも 
 インターコネクト設計 安島さん

・木村さんは安島さんを買っていたが、トーフにかけていいのか悩む
・安島さんを導ける『スゴ腕』の追永さんが必要だった
・木村さんは追永さんを説得しマシン全体の開発を統括してほしいと依頼

少なくとも僕の生きざまをわかってほしい 何があっても逃げない 
何があってもとにかく挑戦する
 システム開発責任者 追永さん

・追永さんと安島さんの激論が始まった
・追永さんはデータが渋滞する部分をきちんと指摘した

この人とは 技術で話せる
 インターコネクト設計 安島さん

・安島さんにさらに上を要求、アイデアを振り絞っては議論を交わす

次の変更が最後だ
 システム開発責任者 追永さん
(次に安島さんが出すアイデアを自分の責任において採用する)

そこでギアが変わった感じがしますね
 インターコネクト設計 安島さん

・週末買い物をしているとき、CPUをつなぐ画期的なアイデアが浮かぶ
・12個のCPUを3次元的につなぎ、その塊同士をさらに3次元でつなぐ⇒6次元
・提案を聞いた追永はすぐGOサインを出した


CPU開発でもアイデアが出る
・CPU開発の吉田さんは自宅でまどろんでいるときにある回路のアイデアが降ってきた
・ある回路を付け足すと計算データうぃ記憶装置計から圧倒的に効率よく取り出せる、そうなれば計算速度は跳ね上がる、消費電力は下げられる

⇒開発から3年スパコンの頭脳が完成した

スーパーコンピューター『京』の登場
・2010年9月理化学研究所で設置が開始
・直前には政府の事業仕分けの対象に上がったが開発の継続が認められた
・世界最速1秒間に1京回の計算を目指すマシン『京』が完成
・2011年6月7日 途中段階での性能テスト 1秒間に8162兆回で

世界記録更新
・2011年10月8日 フルスペックで挑む 計算速度1秒1京回を達成
・アメリカ、中国を上回るスピードをたたき出した(世界1位)

一番うれしいのは (追永さんが)「俺のトーフ」って言ってくれた
ことですかね 
もちろんそうですよね 追永さんが上にいなければできなかったわけで 
 インターコネクト設計 安島さん

『京』世界一のその後
・2012年の運用開始以降、1万人以上の研究者たちに活用された
(空力シミュレーション、都市地震大規模シミュレーションなど)
・2020年 京の後継機『富岳』は計算速度再び世界一に輝く
・富岳の開発は京の開発で鍛えた若手たちだった(吉田さんや安島さん)

★★★★★★★★★★★★★★
2009年の民主党政権下での事業仕分けの「2位じゃダメなんでしょうか?」

やり玉に挙がったスーパーコンピューター『京』。
後継機の富岳は現在世界1位の計算速度ではありませんが、

使い勝手では以前より断然よくなっているそうです。
当時の研究者の皆さんの熱い思いに感動しました。
あと『トーフ』が理解できないって、そういうこともあるんだなと素朴に思いました。
面白かったです。

新プロジェクトX 毎週土曜夜7時半~ NHK総合

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