新プロジェクトX 小惑星探査機はやぶさ

新プロジェクトX 小惑星探査機はやぶさ テレビ

2024年9月21日(土)の新プロジェクトX
小惑星探査機はやぶさ 奇跡の地球帰還でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。

小惑星探査機はやぶさが成し遂げた人類初の偉業。
それは3億キロの彼方先にある小惑星イトカワに着陸して砂を採取する

ミッションだった。
小惑星は太陽系ができたときからある姿が変わらない

「太陽系の化石」と呼ばれる。
その砂を分析することができれば地球誕生や生命誕生の謎を大きく前進させる

可能性がある。
の時を経て地球に帰還し小惑星の砂の入ったカプセルを届けた。
これは3億キロの彼方で起こした奇跡の物語である。

世界から遅れをとる現実
・1980年代アメリカは有人のロケットの打ち上げ成功
・1985年日本は無人の小型ロケット(探査機)の打ち上げ成功
→最先端を行くアメリカとの差は大きい


NASAにサンプルリターンをやると宣言
・宇宙開発機構はNASAと小惑星ランデブーについての勉強会を持ちかけていた

小惑星ランデブー
・小惑星は長さが数十メートルから数百キロの小さな天体
・その多くが火星と木星の間に散らばっていた
・小惑星と同じ軌道を飛行し、速度を合わせ接近、映像や電波で観測する
・小惑星では重力が小さいため探査機のコントロールが難しい
・技術の共同開発を提案したが8回目の勉強会で単独でやると言われる

小惑星ランデブーはNASAだけでやる

・アイデアを取られたと思った川口さんはNASAにこう言った

われわれはサンプルリターンをやります

サンプルリターン
小惑星に着陸しその砂を採取して地球に持ち帰る
ランデブーよりもはるかに難易度が高い

結局NASAがやってきたことをそのまま後追いでやっていくだけなのか
それではつまらないな
私の気性が「あまのじゃく」的なので      宇宙開発研究所 川口さん

・NASAは日本にはできないと考えていた

日本でサンプルリターンの検討を始めた
・一番難題なのはエンジンだった
・3億キロ彼方の小惑星まで探査機を飛ばし地球に帰るまで少なくとも年かかる
・従来の化学エンジンとは異なる燃費のいいエンジンが必要だった
イオンエンジンに注目する

(従来の10倍燃費がよかったが宇宙の長旅に使えるレベルではなかった)
1996年小惑星サンプルリターンプロジェクト発足

「ごくつぶし」みたいなこと言われるわけですよね
サンプルリターン、ここに乗り遅れるともう次はないんじゃないかな

                             エンジン開発 國中さん

むちゃだと思いました
まずミッション自体がチャレンジングでして
こんな状態でとは聞いていましたので これは正直キツイな 

                         エンジン開発・NEC 堀内さん

イオンエンジンを開発する
・エンジンには1万4000時間の耐久性(往復の目安)を求められた
・実情としては150時間しか達成していなかった
・150時間過ぎると機器の内部が溶け始める問題があった
・部品の配置や形を変え内部が溶けない構造を見つけ1万8000時間を達成した

2003年小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げ
・NASAにサンプルリターンをやると宣言してから11年後だった
・高さ3メートル、幅6メートル
・太陽光パネルで発電、地上との通信で遠隔操作できる
・現在地を観測、予定の軌道からずれていたらそれを修正するプログラムを送る


イトカワでトラブル多発
・2年4か月後に目的地の小惑星イトカワ(540メートル)をとらえた

砂の採取方法
弾丸を発射し砂を舞い上げ保管用のカプセルに格納する

・イトカワは重力がほとんどないため着陸する姿勢が難しい
・2005年11月20日採取を試みるが高度計がマイナスになる
(イトカワに潜っているような表示が出てしまった)
・川口さんは機体を上昇させる緊急指令を出す指示を出した
・2度目のチャレンジを決断し今度は成功したがサンプル採取のための

弾丸が発射されていなかった
200512月はやぶさからの通信が途絶える
→着陸の影響で姿勢を制御する装置が破損したと考えられる
→乱回転してソーラーパネルが太陽光を受けられず電力を消失した可能性が高い

・当時宇宙で通信が途絶えた探査機が見つかった例はなかった

はやぶさを探しだし、帰還への指令を出す
・イトカワの方向に向けて信号を発信するも返事はない
2006月はやぶさからの微弱な電波をキャッチした
・機体の温度、姿勢、軌道をひとつひとつ問いかけた(ひとつのやりとりに30分)
・はやぶさは一つ一つ機能を取り戻していった
・1年後はやぶさは地球に向けて飛び立った
・あと半年で地球に到達する距離まで来た時にエンジンの不調が発覚

残酷ですよね(帰還の)半年前にこれが起きるんだみたいな話でね
最後にとどめを刺されるという感じですかね 
   宇宙開発機構 川口さん

エンジンを動かす最後の一手
・故障していない装置を組み合わせて使うクロス運転
・非常事態に備えて離れた装置同士を使う回路を仕込んでいた
・宇宙空間での実績は皆無だが他の手立てはなかった

クロス運転の指令を出すと無事エンジンが起動し地球へ向かっていきました。

はやぶさの最後
2010年6月地球へ帰還した(帰還まで7年かかった)
・砂を格納するカプセルを切り離した後、はやぶさは大気圏に突入し燃え尽きた
・はやぶさの最後はネット配信で63万人が見守った


はやぶさの功績
・カプセルには着陸の際に舞い上がった砂の微粒子が入っていた
・太陽系の誕生、生命の誕生の謎にせまる貴重なサンプルとなった
・2014年はやぶさ2を打ち上げ、
弾丸発射によるサンプルリターンを
完璧にやり遂げた


JAXAでは火星衛星探査計画MMX(火星の衛星に着陸し砂を持ち帰る)を進めている

★★★★★★★★★★★★★★
NASAに言われたことで逆に日本の独自路線へ突き進んだという感じでしょうか。
はやぶさが見つかった時、帰還へ動き出した時、カプセルを切り離して

大気圏に突入した時、研究者たちがどんな思いで見ていたら想像に難くありません。
燃え尽きるはやぶさは何度見ても感動しました。
これからも日本独自の宇宙へのかかわり方を貫いてほしいです。

新プロジェクトX 毎週金曜夜7時半~ NHK総合

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