2022年9月3日(土)の「美の壺」は「いざ鎌倉 武士たちの美意識」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
今回はコスプレした三日月宗近さんが登場して、なんだか不思議な雰囲気です。
この方、鈴木拡樹さんという2・5次元俳優とも呼ばれるコスプレがとてもお似合いの俳優さんです。
三日月宗近:平安時代に作られたとされる太刀「三日月宗近」の化身
今回のテーマ
質実剛健でありながら華やかで雅な面も持ち合わせた武士の美意識とは?
一、命をかけて 身にまとう
鎧は実用的につくられているものの、装飾は細かく繊細で、時にトレンドも出るということです。
【紺糸威鎧】(国宝)清盛の長男重盛が奉納
ほぼすべての部品が残っている貴重な鎧
胴の部分には獅子の模様
胸を守る板に菊の花
紐に房をつける
藍で染めた紺色→勝色と呼ばれ武士に好まれる
一見すると普通の鎧ですが、細かく見ると装飾や色使いに心意気がありますね。
【小桜韋黄返威鎧】(国宝)源頼朝の伯父為朝の鎧
威しは桜の模様が施された鹿の革
金具が桜の形
紐ではなくて鹿の革を使っていてかなり凝った印象です。
奈良時代→梅が人気
平安時代→桜が人気 武士の文化にも取り入れられる
★鎧を着飾る=死に装束
→できるだけ戦場で目立つような意識があるのでは
→武士たちの覚悟と思いが詰まっている
二、その輝きに 心を映す
薙刀 長い柄の先に反りのついた刃を持つ刀の一種
相手との間合いがとれ、突く、斬る、薙ぎ払うと攻守万能
女性の武器としても重宝される
刃には波紋がある
→その勇壮な姿は戦場の花形となる
直元流大長刀術 鎌倉時代より伝わる武士たちが戦場で用いたと言われる長刀術
★持つ人によって薙刀の形は異なり、薙刀はその人を表す
三、きらめく技の玉手箱
この時代の手箱にも当時の技術の高さを感じることができます。
【梅蒔絵手箱】(国宝)北条政子が奉納
漆と20種類の金粉と銀を用いて作られた豪華絢爛な手箱
基本的な技法がすべて詰まった最初の手箱
とても計算しつくされていて、金粉の形が様々で復元するのに苦労するほどの出来栄えでした。
★戦と隣り合わせの日々の中で極上の美を求める
鎌倉時代は武士の時代ですが、その文化は貴族の文化を取り込んだ華やかで優雅さを持った、明日の命が知れない時代を生きた武士の覚悟と心意気を現在に残された道具から見ることができました。
美の壺 金曜夜7時半~ BSプレミアム
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