2022年10月4日(火)の「先人たちの底力 知恵泉選 松本清張”新たなジャンル”を創り出せ!」を見ました。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
今年は松本清張没後30年だそうです。
松本清張、いいですね。事件に余韻が残る感じが・・・
ゲスト:みうらじゅんさん
南沢奈央さん
放送大学教授 原武史さん
清張は遅咲きだった!
太宰治は1909年生まれで松本清張と同じ年です!
若くして才能を発揮し、数々の作品を残しましたが38歳で亡くなりました。
一方の清張は41歳で作家デビューし、その後「社会派ミステリー」という新ジャンルを生み出し、82歳で亡くなるまで精力的に執筆活動を続けました。
戦後のミステリーの潮流を大きく変えた清張
戦前を代表する作家の江戸川乱歩(1894~1965)
「うつし世は夢 夜の夢こそまこと」→現実の社会が夢で夜の夢こそが現実なんだ
松本清張は現実の社会に世界を取り戻す
「探偵小説を「お化屋敷」の掛小屋からリアリズムの外に出したかったのである。」
従来の推理小説とは違う新たな試みとして、49歳で書いた「点と線」でした。
乱歩の作品 清張の作品
主人公 明智小五郎(天才名探偵) 地方の老刑事と警視庁の若手刑事
作風 猟奇的な事件 実際に起こりそうな事件
殺人鬼や怪人
また、鉄道や時刻表といった日常的なものをトリックに使うなど読者の生活に近い、リアルな現実を描くことにこだわりました。
知恵その一 憧れよりも足元を見つめろ!
芥川龍之介は憧れの存在
↓
職場で学歴差別を受けるも「今に見ていろ、決して負けないぞ」と思っていた
↓
44歳で芥川賞受賞→純文学への道が開ける
↓
清張は大衆が読みやすい簡単で明瞭な文章を目指す
⇒生活が苦しくてどうにもならない人の哀しみを肌身に感じており、そういう人にも読みやすいものを目指した
憧れだった芥川龍之介や同時代に活躍した三島由紀夫は東京出身で学歴が高く東京を舞台にして華々しく活躍している
⇒清張はどうしたってそのようにはなれないことから、違う方向に行った
⇒雑誌に合わせて連載を書く
純文学が偉くて大衆文学が下という見方を逆転させた
知恵その二 独学のススメ!自分の発想を大切に!
・英語を独学で学ぶ(太平洋戦争で朝鮮に出兵中)
→日常会話ができるレベルになる
・考古学(新聞社に勤めていた頃)
→自ら古墳を調査する
・古代史
→「古代史疑」をまとめる
定説をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分だけの発想を大事にした
一般の人もアマチュアでも研究できる、勇気をもら
オーラルヒストリー=歴史研究のために当事者や関係者から話を聞きまとめること
→清張がパイオニアだったのでは
松本清張は貧しい中でも出兵していても決して学ぶことを諦めませんでした。
また自分の生い立ちや生き様から、できるだけ多くの人に自分の作品を届けたい、そういう思いが強かったのだと思いました。
自分の努力だけではどうにもならない時代を過ごしたからこそ、社会に合わせることができたのではないかと思いました。
先人たちの底力 知恵泉 毎週火曜夜10時~ Eテレ
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