新・にっぽんの芸能 「賤の苧環」

テレビ

2022年10月28日(金)の「新・にっぽんの芸能」は「鎌倉ゆかりの芸能スペシャル『賤の苧環』」でした。

今回は鶴岡八幡宮で撮影されていて、お客さんが画面にどんどん入っていますが、普通にそのまま進行してますね💦

ゲスト:歴史学者 坂井孝一さん(大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代考証を担当)

鶴岡八幡宮とは鎌倉武士の守護神であり鎌倉幕府初代将軍源頼朝ゆかりの神社として知られています。

戦乱に明け暮れた鎌倉時代に源頼朝や北条義時が触れた芸能の意味
「鎌倉殿の13人」では
源義経とはぐれ義時らに捕らえられた静御前が舞を披露することになり、畠山重忠工藤佑経らが演奏をした。
 重忠「武芸と共にこの腕(音曲)も磨いてきました。」
 佑経「私は武芸には脇目も振らず、鼓に命をかけてきました。」

京都に縁のある武士は、当時最先端の文化・芸能に触れる機会があった
 重忠→元は代々平家に仕えていて京都に縁がある
 佑経→院の御所(京都の上皇の居所)を守る武士
京都の貴族も芸能に理解のある武士を優遇した
→芸能は京都とつながり関係を築くためのツールでもあった

静御前が白拍子を披露したのは鶴岡八幡宮
白拍子:烏帽子や太刀を身につけ、白い水干を着て、足拍子を踏む女性の芸能者が男装をして踊る
世俗の身分社会とは離れたところにいる芸能者は高い身分の者と近づくことができた

しずやしず しずの苧環おだまき繰り返し 昔を今になすよしもがな
(糸の輪が回るように 懐かしい日々が戻ってきて欲しい)

源頼朝は神聖な八幡宮で反逆者・義経を思う歌に激怒するも北条政子が取りなした
→かつて頼朝公の身を案じた私と今の静は同じ、どうか静を褒めて欲しい
政子は合戦・政争の敗者や遺族たちに手厚い保護を与えた

オリジナルは伊勢物語(平安時代)の中に
の しずのおだまきくりかえし 昔を今に なすよしもがな

静御前は「いにしえの」を「しずやしず」に変えた
「しずやしず」は「静よ静よ」という義経の自分の呼び声を即興的に古歌の中に取り入れた

しずの苧環を歌舞伎役者の尾上右近さんが披露
賤の苧環:鶴岡八幡宮での静の舞を描いた長唄で明治41年に作られ後に舞踊化

夜、ライトアップされた舞台はとても素敵でした。
背景に車のライトが光り、人が通る様子が見えたのも、それそれでよかったと思います。

【番外編】鶴岡八幡宮の手水鉢は見るべし!
鶴岡八幡宮を舞台にした歌舞伎「石切梶原」の中で有名な手水鉢
→手水鉢を刀で真っ二つに切る場面が見どころ

新・にっぽんの芸能 毎週金曜夜9時25分~ Eテレ

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