プロフェッショナル 鈴木敏夫

プロフェッショナル 鈴木敏夫 テレビ

2022年10月30日(日)の「プロフェッショナル選」は「自分は信じない 人を信じる~プロデューサー・鈴木敏夫」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。

なんと2006年の放送分だったので、みなさんお若いです!
この時の司会は脳科学者の茂木健一郎さんと住吉美紀アナです。
最初はVTRが流れて、その後スタジオで鈴木さんが語っていました。

宮崎駿を急かさない
宮崎監督は前作から2年、このころ地球儀づくりに没頭していて、新作を作る雰囲気ではありません。
しかしスタジオジブリにとって、宮崎監督が動かないのはスタジオの存続に関わることです。
この日の宮崎監督の話は新しい事務所の設計の話、そのあと新作の話、といっても長さの話で内容ではありませんでした。
鈴木さんは宮崎監督を決して急かさないのでした。

常にプレッシャーの日々
この時新作(ゲド戦記)のスケジュールが大幅に押していたそうです。
鈴木さんが抱える新作の予算は数十億、ひとつ判断を誤れば巨額の損失が出てしまいます。

新しい挑戦をする
今回、ヒロイン役が歌う挿入歌を全面に打ち出す戦略をとりましたが、問題はCDが売れない時代にどうやって売り出すかが問題でした。
そこで鈴木さんは周りに助けを求めました。
大手CDショップの店員さんや音楽制作会社さん達と勉強会なるものを開き、雑談から始めます。
お互いの立場からの発言が1時間ほど続いたとき、鈴木さんは場を和ませたり突拍子もないことを言ってみたりします。それは仕事の頭を切り替えてもらうためだそうです。

「仕事を忘れたとき いい仕事ができる」

映画の宣伝をまとめたボディーコピーが肝
鈴木さんはこのボディーコピーに巧みに時代の空気を織り込みます。
この作業を若手スタッフに任せます。

「追い込んで 力を引き出す」

人は崖っぷちでこそ、力を発揮するというのが鈴木さんの信念だそうです。
とはいえ、必要なフォローはしていて、今回の場合「ハウルの動く城」のボディーコピーを書いた先輩を差し向けました。
アドバイスとしては公開時の時代は、政治は、その時に見てもらいたいコピーは?と言った感じでした。
それでもできないと鈴木さん本人がヒントになるような作品の話をします。
そのあと二人はボディーコピーを書いては他の人に読んでもらうことを続け、最初とは全く違ったものを出してきました。
そこに鈴木さんが最後一押しをして、無事完成しました。
鈴木さんは担当者を褒めました、とても嬉しそうでした。

鈴木流 ヒットを生む組織とは

「仕事を祭りにする」

みんなを(脱落者なく)祭りに巻き込みたい、脱落者がいるとダメになると思う
誰かを排除しても、そのあと次の誰かがまたレッテルを貼られる

「自分を信じない 人を信じる」

一人の人間が考えることはそれが誰であってもたかが知れているという考え方で、しかし二人集まるとそれ以上の結果が出る事があるということでした。
意見を聞きすぎてどうしたらいいか分からなくなることがありませんかと聞かれると、最初の思いつきを紙に書いてしまっておいて、人の話を聞くうちに分からなくなるが、その紙を引っ張り出すと、ああこれだ、自分のやりたいことは(人に色々聞いたうちの)この方法なんだと答えが分かるそうです。

「熱意を信じる」

全幅の信頼をおいて仕事を任せると、本気になってやってくれるということを実践しているそうです。

20代の苦い日々からアニメ雑誌編集と真剣に向き合う
鈴木さんはノンフィクションライターを目指し、大学卒業後大手出版社の週刊誌の特集部に配属。
文章力には自信があったが、上司からの一言が胸に突き刺さる。
「お前の文章はどこでも削れる」
文章はうまいが、深みやこだわりがなく、ただ器用なだけの記事。
その後1年半でマニア向けのアニメ雑誌の編集部に移動。
各部の余った人材を寄せ集めて作った部署。
鈴木さんはアニメに興味はなかったが、取材先で知り合ったアニメーターが宮崎駿だった。
宮崎さんのような面白い男がいるなら、真剣にアニメ雑誌をやろうと決めたが、編集部にはアニメに詳しい人材がおらず、一番詳しいのは出入りする学生だった。
鈴木さんは熱意さえあれば誰でも記事を書かせた。
超時空要塞マクロスの記事のヒットで「アニメージュ」は40万部の売上を誇り、その勢いに乗って連載漫画「風の谷のナウシカ」の映画化に挑んだ。

「千と千尋の神隠し」誕生秘話
鈴木さんの友人にキャバクラ好きがいて、キャバクラにいる女の子は実は引っ込み思案な子が多い、でも仕事で色んな人と話しているうちに元気になってくるという話を聞き、それを宮崎さんに話したところ、それで話を作ろうということになったそうです。
まさかキャバクラの話があの名作のきっかけになったのかと思うと驚きですね。

映画を作る時に大事にしているのは「時代性さえあれば 映画はもつ」
若い人に起きていることはおじいさんにも起きていることだと思っている
若い人が考えていることが分かればみんなに分かると思っているので社内の人によく話を聞くそうです。

「いつまで時代に寄りそえるか」

いい映画が売れるとは限らない、自分の感覚や考えていることが世の中に通用しなくなったら、リタイアだと頭の片隅にいつもあるそうです。その日は必ず来るだろうと話します。
一番大事なのは、そうなった時にジタバタしないようにすることだそうです。

プロフェッショナルとは、やっぱりみんなの期待に応える、そんな気がします

★★★★★★★★★★★★★★★★★★
鈴木さんはボディーコピーを依頼した担当者に対して、何段階かの助け船を出しています。
ただ急かすだけじゃだめで、その人のヒントになるような事をちゃんとフォローができる、最後の一文も担当者に投げて、返ってきた文章がよければそれを採用して終わりにする、そんな潔さが鈴木さんたる所以なのかなと思いました。 

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