2022年11月2日(水)の「歴史探偵」は「後鳥羽上皇と承久の乱」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
今回は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で登場する後鳥羽上皇(映像は鎌倉殿の13人です)のお話ということで、楽しみです!
後白河法皇を祖父に持つ希代の天才である後鳥羽上皇には3つのターニングポイントがあったと考えられます。
【ターニングポイント①】三種の神器(勾玉、剣、鏡)がないまま4歳で天皇となる
その後壇ノ浦の戦いで三種の神器が海に沈んでしまう
・勾玉は木箱に収められていた→回収
・鏡は船内に残っていた→回収
・剣は海底に沈んだ→未回収
海人まで使って神剣を探している
壇ノ浦の戦いから30年後も神剣を探させた記録もある
→神剣はとうとう発見されなかった
壇ノ浦の合戦があった場所は起伏の多い地形
・水深10~50メートルと深い
・水深が浅い場所でもサンドウェーブ(海底の砂が作る波状の地形)が起こる
→何かが落ちても動く砂で埋まってしまう
三種の神器が揃わない中の天皇ということが生涯コンプレックスとなる
(武の象徴である神剣がない)
【ターニングポイント➁】経済・軍事・政治機能をもつ広大な都市、水無瀬離宮の造営
・鎌倉幕府の有力御家人である平賀朝雅も度々招かれる
・後鳥羽上皇は毎日蹴鞠の練習をしており蹴鞠の達人
(蹴鞠は当時の遊具として武士も熱心に取り組んでいた)
→宮廷文化の雰囲気の中で彼らを懐柔・篭絡しようとした
→自分が最高権力者であることを知らせる
3代将軍源実朝は後鳥羽上皇を慕っていた→
鎌倉幕府と良好な関係を保ちつつ自分がトップとして武家政権を把握する意図もみえる
【ターニングポイント➂】源実朝暗殺・大内裏焼失
・実朝暗殺で鎌倉幕府との関係が崩れる
・武士が争いが原因で大内裏が焼失してしまう
→鎌倉幕府に大内裏の再建を求めるも拒否される
→北条義時を追討すべく承久の乱が起こる
京都にいた武士に官職を与えたり、東国武士に寝返りを呼びかけ、各地の武士たちに義時追討命令を出したものの、一か月で大敗
後鳥羽上皇と義時の駆け引きの違い
後鳥羽上皇・・・名誉や官職を約束した
北条義時・・・土地を約束した
→価値観の変化に後鳥羽上皇は対応できなかった
★★★★★★★★★★
後鳥羽上皇はその後隠岐に流され60年の生涯を閉じました。
42歳で承久の乱をおこした後、18年を隠岐で過したことになります。
もう、ジェットコースターのような人生だったんですね。
水無瀬離宮跡地や隠岐での屋敷跡を見ると、後鳥羽上皇の波乱万丈な人生をとても感じました。
歴史探偵 毎週水曜夜10時~ NHK総合
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