２０２２年１１月２３日（水）の「名探偵ポワロ」は「マースドン荘の惨劇」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
冒頭１分もたたないうちにポワロはカンカンに怒っています。
それもそのはず、事件だと聞きはるばるやってきたというのに、ホテルの主が書いたミステリーのオチがつけられなくなったから手を貸してほしいという依頼でした。
ミステリーではなく、本物の事件だと思っていたポワロはすぐ引き返そうとしましたが、もう列車がなく、仕方なくそのホテルに宿泊することになりました。
事件の概要
ポワロが訪れた町の幽霊屋敷でマースドン荘で主のマルトラバースが急死。駅へ急ぐポワロでしたが、警察に呼ばれ事件現場に連れていかれる。
マルトラバースは胃潰瘍を患っており、吐血して窒息したかと思われたが、ポワロは事件性があると感じ、スコットランドヤードのジャップ警部を呼んで捜査を開始した。
ポワロが遺体発見現場から感じた疑問点
・マルトラバースの靴に土がついていて、引きずられたような跡がある
マルトラバースについて発覚した事実
・高額な保険金に最近加入している
・事業が上手くいっておらず破産寸前だったこと
ポワロがマルトラバース夫人（＝スーザン）に確認したこと
・事件当日どこにいたか
→スーザンは南向きのテラスで絵を描いていた
夫は庭の石の椅子に腰かけていた
秘書のローリンソンは銀行に出かけた
ポワロが主治医に確認したこと
・マルトラバースの健康状態
→胃潰瘍はあったが、もともとは頑丈なタイプ
ポワロが気づいた事件の重要なパーツ
・ブラック大尉がスーザンに送ったケニアを旅行した時のお土産である魔除けの人形が包まれていた新聞紙
・スーザンが事件当日描いた絵の日陰の向き
・マルトラバースの遺体のそばに落ちていた卵
事件解決のためポワロが仕組んだワナ
マースドン荘での夕食にポワロ達は招待されました。
食事中電気が消え急に窓が開きました。
庭からマルトラバースがゆっくり歩いてくるのを見てスーザンが悲鳴を上げます。
スーザン「まさか・・・ありえないわ。」
庭を歩いてくるマルトラバースが銃を上にあげる
ポワロ 「マダム、手から血が出てますよ」
スーザン「いいえ、いいえポワロさん、あの人の血よ。
私の手についているのは、主人の血よ。
何故って・・・私が殺したの。」
部屋の明かりがつき、ジャップ警部が登場します。
スーザンは連行され、ブラック大尉は後を追いかけ、食卓には秘書のローリンソンが呆然とした表情で取り残されました。
マルトラバースの蠟のお面をつけて庭を歩いてきたのはホテルの主でした。
彼も加わってポワロの事件の顛末を聞くことになりました。
ポワロが暴いた犯人とは・・・
犯人はスーザンでした。
胃潰瘍の手術をしたマルトラバースに対し、庭に何かがいる、鏡台に赤いペンキをかけ、何かに呪われているように装い、マルトラバースに強いショックを与え死に至るようとしますが、彼はとても丈夫な男でした。
そこでカラス打ちのライフルを使って口の中を打ち、殺害しました。
司法解剖がなければ、胃潰瘍による吐血が喉に詰まって亡くなったとされるはずで、殺害トリックがバレることはなかったはずでした。
使ったライフルを庭の生垣に隠した時、その場所にあった鳥の巣を押してしまい卵がおちたものが現場に落ちていました。
彼を引きずったのは、彼が何か見て驚いて倒れたように仕向けるためでした。
カラス打ちのライフルを使う方法はブラック大尉が渡したお土産を包んでいた新聞紙の一面に出ていた記事を見て思いつきました。カラス打ちライフルを口に打ち込んで自殺した記事で、ホテルでポワロはその新聞紙を目にしていました。
スーザンは描いた絵にもミスをしていました。午前中に描いた絵だったのに影の向きが午後の日差しの影だったのです。
つまり午前中に絵を描いていなかった証拠でした。
【番外編その①】有名な蝋人形の館にポワロの蝋人形が！
超不機嫌なポワロでしたが、自分の蝋人形をみてたちまち機嫌を直します。
いそいそとヘイスティングスを呼ぶも、ちょうど閉館時間ということでヘイスティングスは蝋人形を見る事はありませんでした。
ポワロのウキウキした様子が、なんともかわいいですね。
事件解決後、もう一度ジャップ警部まで連れてきますが、２人に意地悪をされ、わざと隣にあったチャップリンの蝋人形の話をしています。
ぷりぷりして出ていくポワロがまたかわいいですね。
【番外編その➁】事件の話をする後ろでホテルの主がソワソワ
ポワロはジャップ警部とヘイスティングスの３人で夕食を取りながら、事件について話しているとホテルの主が給仕をしながらも３人の会話が気になって堪らない様子です。
給仕はちょっと粗いですが、でも仕事はちゃんとやっています。
ちゃっかり自分で作った容疑者リストをポワロに渡していました。
【番外編その➂】子ども用のお菓子を無邪気に食べるヘイスティングス
ポワロとヘイスティングスはマルトラバースの主治医を訪れます。
テーブルの上に置いてある大きな入れ物に入ったお菓子に興味津々のヘイスティングス。
主治医に勧められると迷わずひとつ手にとってパクリ。
それを笑顔でポワロが見守ります。
ポワロが主治医と話し出すとボリボリという音が響きます。
ヘイスティングス、かわいいですね。
【番外編その④】事件を追う最中にホテルの主にもアシスト！
事件の核心に迫りつつあるポワロはジャップ警部と電話を終えると目の前にいたホテルの主にミステリーの犯人についてのアイデアを伝えます。
忙しい最中、まさしくフル回転のポワロでした。
★★★★★★★★★★★★
今回はミステリーらしいミステリーで見ごたえがありました。
ただ破産寸前だったマルトラバースの残務整理をすることになるだろうローリンソンや、スーザンをずっと想っていたブラック大尉は可哀想ですね。
一方でホテルの主はポワロの仕掛けたワナに一役買うことが出来て上機嫌ってとこでしょう。
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