2023年1月7日(土)の「NHKスペシャル」は「認知症の母と脳科学者の私」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
母親は72歳、7年前にアルツハイマー型認知症となったそうです。
娘の恩蔵さんは脳科学者として人の感情と脳の関係について研究しています。
恩蔵さんは学者として母親の認知症を研究することで母らしい感情が残り続けることを確かめたいと考えました。そのことを通じて他の同じ病気の方の役に立ちたいと考えています。
7年間の記録です。
2021年5月
・一人で料理ができない
・包丁で切るという動作は体で覚えていてできる
2021年11月
・自分の身の周りのことができなくなり、布団で横になるのに20分以上かかる
・一人で食事を食べることが難しくなる
・具体的な問いかけには答えられる
・何かを求められてできないと「バカだから」「もう逝かないと」とネガティブな発言をするようになる
→脳機能が保たれている証拠だと気づく
2022年8月
・認知症になっても旅行先では感情が豊かだったので、最後かもという思いがあり家族旅行に出かけるが、母親はあまり楽しそうにはしていなかった
・散歩に行き、よく通った道を通ると昔のように野菜の直売所に立ち寄り、口癖だった「やってあげるよ」と話した。
2022年10月
・母親のレシピで茶碗蒸しを作ろうとしている姿を見つめる母親に「料理を作りたい」という意思を感じる
・久しぶりにキッチンに様子を見にきたり、できた茶碗蒸しに感情を表していた
2022年12月
・散歩をしていて「あやちゃん いこうよ」と恩蔵さんに向かって話す
母親の認知症について
・料理を作らなくなった→65歳で認知症と診断
・認知症は50代、60代で発症すると進行が早い傾向にある
・自宅で父親と二人で介護をしている
・音楽療法を始める
母親について
・音楽大学を卒業し、自宅で音楽教室を開きながら家事をこなし、料理が得意な完璧な母親だった
研究対象として母親の脳のデータと向き合う
・定期的にMRIを撮り、検証をしている
・前頭葉の萎縮が進むが、運動機能を司る小脳の機能は保たれている
・音楽を表現する力が残っているが、認知症にチェック項目がない
・東北大学で脳の研究をしている第一人者に解析してもらうと、萎縮が進んでいると思われた部分がそうでもないことを知る
母の料理ノートに感情が爆発する
いつも冷静に介護をしていた恩蔵さんですが、父親が見せた料理ノートをみて涙がこぼれました。
完璧主義の母親は茶碗蒸しやニンジンケーキなど、毎日同じ料理は出さないという人でした。
母親のことは自分が覚えている
母親には人生の中に流れている感情があって、その人らしさは能力ではなく感情にあると思うようになりました。
何が出来なくなってもいい、もう知っているよと思うようになりました。
★★★★★★★★★★★★
恩蔵さんもお父さんも終始穏やかで、とても温かい家庭だなと思いました。
研究者として母親の症状が分かるだけに衝撃を受けることもありましたが、感情はずっとあって、それがふとしたとしたときに現れていると感じるという発言は、しっかり見てきたからこそだと思います。
ここまで自分にできるのかなと思いましたが、人に寄り添う姿を見る事ができて感心しました。
NHKスペシャル 土曜夜10時~ NHK総合
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