2023年10月18日(水)の「解体キングダム」は
「愛すべき特殊構造物を解体せよ!」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
今回の出演者:伊野尾慧
『建築アイドル』の伊野尾君ですが、ガスタンクの球体の構造が
どうなっているのか見当もつかなかったそうです。
確かに球体の建築ってあまりないですよね。
解体ファイル17 (スイカ柄の)巨大ガスタンク
場所:千葉県富里市
地下のガス管からガスが供給されるようになりタンクは役割を終え解体されることに
ガスタンクの構造
・大きさ:37メートル
・ガスタンクは柱や梁がなく、頑丈な鉄板で支えられている
・118枚の鉄板を溶接でつないでいる
解体マメ知識:ガスタンク物語
・高度経済成長期にガスの使用量が激増し都市部にガスを貯蔵する施設が
必要になった
・1980年代 全国で1000基以上のガスタンクがあった
・近年、地下のガス管が行きわたるようになり貯蔵しなくてもよくなった
→全国のガスタンクは解体されている
解体方法:リンゴ作戦(りんごの皮むきのように鉄板を切り離していく工法)
・クレーンで人を吊り上げ、上部からガス溶断で一枚の皮のようにつなげて切っていく
・1000トンの鉄板の重みで自然と下に落ちるので、
足場の設置やつり取り作業が不要となる
(今までは足場を組み、鉄板を四角状にカットし、クレーンで吊り上げて取っていた)
・工期も従来の3分の2に減らすことができる
・ガス溶断の達人が必要不可欠
→タンクの切断場所によってカットする角度を変えている
→タンク上部は垂直にカット、球体のカーブの部分は
鉄板がスムーズに落ちるよう角度をつける
ココがポイント!
・揺れるクレーンでの作業は集中力がいる
・常にカットする幅が一定になるよう図って印をつけてからカット
・最初に球体の下部分を下からカット、次に球体の上部分を上からカットする
難関ポイント:巨大アクリル水槽を安全に解体せよ!
場所:足摺海洋館(高知県)
・1975年の開館当時、日本最大級の水槽(当時)が話題となった
・45年が経ち建物老朽化のため解体されることに
・水槽は1枚3トンのアクリル板が12枚繋がり300トンもの海水を支えてきた
・アクリル樹脂ガラスの厚みは16センチ
解体こぼれ話:巨大水槽と共に生きた飼育員
新しくなった足摺海洋館で現在も飼育員をしている下田さん。
巨大アクリル水槽に30年もぐり魚の餌付けなど世話をしてきた。
「巨大水槽は私の人生そのもの」
(外れたアクリル板をみて)
「本当にご苦労様としかいいようがないですね
私の人生の宝物 お世話になりました」
雨が降る中、いつまでもアクリル板のそばを離れようとしませんでした。
解体方法:グリップを独自でつくり安全にアクリル板を掴む
①アクリル板の下部分を切断
➁重機の先に「アクリルやわらかグリップ」をつけ、アクリルを面ではさむ
<ここでトラブル発生!>
・アクリル板のコーキング剤が硬くなり全く動かない
・コーキングをカッターでカットしてはがす
➂アクリル板をつかみ水槽の枠から取り出す
無事割れることなくアクリル板を取り出すことに成功しました。
★★★★★★★★★★★★★★★★
水族館は新しくリニューアルされたそうで、
これからも地域で水族館を楽しめることができるのだなと安心しました。
あの飼育員さんの熱い想いに感動しました。
最後キチンと解体されるところまでやって、終わりにできるのがいいなと思いました。
これからも新しい水族館を地域で大事にしてほしいと思いました。
解体キングダム 水曜夜7時57分~ NHK総合
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