2024年3月27日(水)の「にっぽん百低山」は
「ほろ酔いで語ろう!低山の魅力「日本人と低山」」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
今回は神田の居酒屋だそうです。
本当に居酒屋、長テーブルの。
後ろには普通にお客さんが入ってますね。
声がするから他にもお客さんはいるみたいです。
今回のゲスト:中沢新一さん(人類学者)
人類学者ということで、今回は低山を文化的側面からアプローチするようですね。
低山の魅力①忘れられた歴史を感じることができる
・斜面に鎌倉時代に彫られたやぐら(納骨堂)がある≪大平山(神奈川)≫
・飛鳥時代の小さな古墳(600基以上)がある≪龍王山(奈良)≫
⇒魂を鎮める場所
・縄文時代から信仰の対象だった神の池がある≪小菅山(長野)≫
⇒山は暮らしにかかせない水をうみだす神聖な場所
宗教思想や民族の思想の原型は縄文人が作ったとされる。
信仰の場所として磐座、神が降りてくる場所としてお祭りをする
重要な場所だった。
古代の人は平地と山を画然と違う場所だと考えていて、
山自体が霊的な領域だった。
人間は死ぬと魂が出て山の領域に戻っていく。
大人になる儀式(成人戒)を山で行う、子供(だった自分)は
一旦死んで生まれ変わり、また死者を葬る場所でもああった。
(中沢さん)
低山の魅力②その土地ならではの神様
・京都の街並みで恐れられた火事から守ってもらう火の神様が祀られている
≪愛宕山(京都)≫
・疫病を防ぐと信じられてきた神仏習合の神様(牛頭天王)が祀られていた
≪飯能(埼玉)≫
⇒山深い場所で医療があまり発達していなかったため神仏に頼った
・山姥を安産や子育ての神様として祀る≪大姥山(長野)≫
⇒洞窟の小さな鎌を持ち帰り子供のおなかをさすると夜泣きが収まると信じられた
山で生活したり修行をしたりした人たちの想像力が作り出す神様は
すごく多様である。
人間だけがこの世界に存在するわけではない、人間だけが重要ではない、
それを超えたものがあるんだという感覚を抱いたのはいい世界観だと思う。
(中沢さん)
低山の魅力③整地
・一般の人が入ることができない御嶽がある≪名護岳(沖縄)≫
⇒神聖な女性だけが入ることができる場所がある
・山の中に鳥居があり、その先は見ることも許されなかった≪龍良山(長崎)≫
⇒見た時には見なかったことにする儀式がある
低山に入ると世俗的な決まりや法がそげ落ちてくる自由な領域(アジール)
がある。
残念ながら最近はない。富士山も残念ながらアジールじゃない。
類さんが100歳まで千低山ぐらいやらないと日本のことは
明らかにならない。 (中沢さん)
今日は類さんも納得しきりといった表情で話していました。
最後に中沢さんに今度は山でやりましょうかと話しました。
★★★★★★★★★★★★★★★
今日は低山を神が宿る山という側面から聞くことができて楽しかったです。
確かに類さんにはこれからも頑張ってもらって1000ぐらい低山を登って
ほしいですね。
しかし今回は本当に居酒屋感があるし、お二人とも本当にお酒飲んでいるし、
なかなかディープで面白かったです。
にっぽん百低山 毎週水曜昼0時20分~ NHK総合
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