2022年11月22日(火)の「先人たちの底力 知恵泉」は「イノベーション!誕生 御成敗式目 北条泰時」を見ました。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
今回の主役は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主役である二代執権北条義時の息子である三代執権北条泰時です。
彌十郎さんが撮影前に思っていた泰時のイメージは「自分のことより人のことをよく考える、いい政治家だ」ということでした。
今回のキーワードは「情け」と「道理」ということです。
今回のゲスト
トラウデン直美さん
坂東彌十郎さん(大河ドラマで北条時政役で出演)
明治大学教授 清水克行さん
知恵その一、情けは自分の力となって返ってくる!
御家人・和田義盛との戦いに勝利した泰時に恩賞として義盛の所領を与えられるも、自分は父の敵と戦っただけで賞を頂戴するいわれはないので、他の勲功者の不足分に当ててほしいと恩賞を辞退しました。
→泰時の慎み深い性格が表れている
父・義時が急死で3代執権に
・義時の後妻の伊賀氏が自分の子の北条政村を執権に据えようと画策するも失敗
→政村を処罰せず許した
・義時の遺産の所領を受け取らず、他の兄弟に多く与えた
→北条一族の協力体制を築いた
●執権を支える連署を設置 伯父の北条時房を置く
評定衆を設置 実務能力の高い文官を抜擢した
目先の利益にとらわれない泰時の情けが、北条家の団結へとつながり、鎌倉幕府が安定する礎となった
知恵その二、問題点を見つけるために外を見てこい!
泰時は承久の乱の後、京都に留まり六波羅探題で戦後処理を担当します。
そこで、武士の恩賞、御家人と貴族や寺院の間のトラブル解決、土地の問題など様々な問題に直面しました。
→朝廷の「律令」を参考にしたが、武家の慣習とのすりあわせがなかった
★変わりゆく時代状況に則した新たな法律が必要だと考えた
★栂尾山高山寺の明恵と出会うことで、道理に従い筋道を通すことが正しい政治の実践につながると考えた
泰時が制定した武家社会初の法律である51箇条から成る御成敗式目は、その後600年武家法の鑑となった。
御家人が納得できるよう先例やご恩と奉公に基づく慣習を残し、武士としてのあるべき姿を導くための項目も入れた式目だった。
★けんかをして相手を殺した場合は殺人罪
★悪口は争いの元になるため、重大なものは流罪とする
泰時は弟への手紙で「式目は漢字を知らない武士のための法」と記していました。
★★★★★★★★★★★★
祖父・時政や父・義時のころからまた違った時代に入り、泰時が「御成敗式目」を制定することで武士のあるべき姿が確立したのだと思います。
泰時は義時の時代を生きながら、これだけのことをした素晴らしい政治家だったと思いました。
先人たちの底力 知恵泉 毎週火曜夜10時~ Eテレ
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