２０２３年２月８日（水）の「名探偵ポアロ」は「負け犬」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
今回も被害者である、サー・ルーベン・アストウェルの書斎にレンピッカ風の自画像がありました！
「愛国殺人」に続き２回目ですね。
事件のあらすじ
ヘイスティングスは友人のチャールズ・レバソンに誘われてゴルフの大会を観戦に行きます。ポワロも同行しますが、それはチャールズの伯父のサー・ルーベン・アストウェルのコレクションに興味があったからでした。
サー・ルーベンには敵が多く、家族と何かと対立し、ディナーも楽しいものとは言えませんでした。翌日書斎で撲殺されたサー・ルーベンが発見され、サー・ルーベンの部屋に入り、後に逃走するチャールズが逮捕されました。
事件当日書斎に入った人物
事件当日書斎に入り口論したと認めた人物は３人。
①弟のビクター（自社が持つ新素材を軍事目的の会社に売却しようとする兄と対立）
➁妻のレディ・アストウェル（話し相手のリリーをクビにすると言われ納得できない）
➂甥のチャールズ（会社で働くよう言われ納得できない）
ポワロが見つけた事件解決へのパーツ
・庭先で見つけたドレスの布の一部
（サー・ルーベンの言うようにリリーは何かを探っている）
・レディ・アストウェルが受け取ったリリーの紹介状
（リリーが紹介状の名前を偽造していることに気づく）
→リリーが兄の開発した新素材の書類を取り返す目的で偽名を使ってアストウェル家にいたことをつきとめる
・リリーが盗んだ新素材の重要書類に入っていたトレフューシスに関する契約書
サー・ルーベンの書斎に集められ事件の真相を明かす
犯人はアストウェル社の科学者トレフューシスでした。
彼はリリーの兄が開発した新素材の開発を引き継ぎ完成させたということで、その新素材が世に出たあかつきには莫大な利益が入る契約を結んでいました。
しかしサー・ルーベンはもっと利益が出ると見込まれるドイツの会社へ製造許可を出すことを決め、その場合、トレフューシスの結んだ契約は何の意味も持たなくなりました。
彼はその重要書類を取り返そうと書斎に忍び込みました。
しかし次々と書斎に入る人物が現れ、彼はそこを動けずにひたすら待つしかありませんでした。
結局最後は見つかって、そばにあった美術品でサー・ルーベンを撲殺しました。
事件当日書斎に入った人物＜真相版＞
①科学者トレフューシス
→話し声が聞こえたので書斎奥に隠れる
➁弟のビクター
➂妻のレディ・アストウェル
→サー・ルーベンに見つかって撲殺するがまた書斎に人が来たので書斎奥に隠れる
④甥のチャールズ
⑤レディ・アストウェルの話し相手のリリー（重要書類を盗む）
→トレフューシスは最後まで書斎奥から出られなかった
【今回の名シーン】トレフューシスが罪を認めるシーン
ポワロ「私が捜したのは、忍耐強く、長い間負け犬でいた人間です。
サー・ルーベンの書斎に忍び込み、カーテンの後ろに隠れ、
進退窮まり、ついに押さえつけていた暴力をふるった人間です。
あなたです、カーテンの後ろに隠れていたのは。
あなたです、サー・ルーベンを殺したのは。
ムッシュ・トレフューシス。
（中略）
トレフューシス「彼はろくでなしだ、嘘つきだ、ペテン師だ。」
ポワロ「サー・ルーベンについてのあなたの分析に
反対する人は多分いないでしょう。」
トレフューシスは少し頷いたように見えました。
【番外編】催眠術にハマるミス・レモン
冒頭のシーンでポワロを催眠術にかけようと真剣な表情。
でもヘイスティングスが邪魔をするし、そもそもポワロは催眠術にはかからない様子で目をパッチリ。
でも事件でレディ・アストウェルに催眠術をかけ、見事サー・ルーベンの書斎のカーテンの奥に誰かいたという証言を引き出しました。
ラストシーンではヘイスティングスに「ホールインワン」と声をかけ、振り子をぶらぶらさせると、ヘイスティングスは見事にホールインワンを決めました。
嬉しそうなヘイスティングスと信じられないという表情のポワロでした。
★★★★★★★★★★
戦争ですらお金を儲けるチャンスとしかとらえないサー・ルーベンは登場人物の誰にとっても好ましくない人物でした。
ポワロが言うように、彼の死を悼む人はいないでしょう。
結果として弟のビクターはドイツの会社への製造許可は取りやめ、リリーの兄ときちんとした契約を結び、自社で製品を作ることになりました。
ビクターとレディ・アストウェルはきっと穏やかな時間を過ごすことができるし、チャールズもゴルフを続けている様子なので、万々歳の結果ですね。
トレフューシスはどうなったんでしょう、ちょっと情状してもらえるといいですね。
名探偵ポワロ 毎週水曜夜９時～ BSプレミアム
見逃した方は今なら３１日間無料体験。
