2023年6月28日(水)の「名探偵ポワロ」の「ひらいたトランプ」を見ました。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
今回の殺人は被害者がとても変わった人物で、生への執着がなく、
危険なゲームにスリルを感じる人物でした。
衝動殺人を引き起こそうと舞台を整えるという、かつてない被害者です。
あらすじ
ポワロは資産家のシェイタナのディナーに招待された。
ディナーにはポワロの旧知の推理作家のオリヴァ夫人やヒューズ大佐、
ウィラー警視の他に4人の招待客がおり、合計8人の招待客がいた。
ディナーのあとシェイタナはゲストに二部屋に分かれてブリッジをやるよう勧め、
自分はポワロたちがいない方の部屋の暖炉の前のソファに座っていた。
ブリッジが終わり、時間も遅くなったのでゲストが挨拶のため
シェイタナに声をかけると、シェイタナは胸を刺されて死んでいた。
状況から外部の犯行の可能性は低く、ゲストが容疑者となった。
謎めいたシェイタナ
・ゲストはシェイタナとそれほど親しくしている人はおらず、
シェイタナを良くいうゲストはいなかった
・ポワロに「人を殺して逃げおおせた者たち」に興味がある、
殺人者は芸術家だと語る
ディナーの席でのシェイタナの言葉
「誰かに毒を持って素知らぬ顔で通した女は大勢いるんだろうな。
医者だってそういう機会はいくらでもあるがね。
私が犯罪を犯すとしたら、あくまでシンプルにいきたいねえ。
それは事故かもしれない。
例えば銃の暴発。
あるいは家の中で起きた事故。
よくある悲劇ってことで、事件にすらならない。」
「全員で存分にカードを楽しんだ後、私から重大な発表があります。」
オリヴァ夫人「結婚するの?」
「いいえ、まだ秘密です。」
オリヴァ夫人の的を得た発言
(シェイタナがブリッジをしているポワロたちの部屋から出てドアを閉めると)
オリヴァ夫人「気になりません?こちらの4人はみんな、そう、
おおざっぱに言えば・・・捜査陣。
じゃあ向こうの4人は?」
ヒューズ大佐「犯罪者」
オリヴァ夫人「犯罪者には見えないわ」
ヒューズ大佐「犯罪者はほとんど犯罪者には見えませんよ、ミセス・オリヴァ」
→結果としてこの4人で他の4人のゲストを尋問することになりました。
(オリヴァ夫人は一般人ということで追い出されそうになりますが、ポワロがOKを出しました)
事件当日の行動についての証言
・医者のロバーツ
10時半に暖炉の火をかき混ぜにいき、その後女性に飲み物を持っていった、
11時半に自分に飲み物を作った(席を立ったのは2回)
・ロリマー夫人
席を立ったのは1回、(ロバーツが飲み物を作る前?)シェイタナはまだ生きていた
男性は頻繁に席を立ったが、ミス・メレディスは席を立っていない
・アン・メレディス
席を1度立ったような気がする、歩き回った
暖炉のそばには行っていない、覚えていない
・デスパード少佐
みんな立ったり座ったりで、特に変わった様子はなかった
ロリマー夫人がシェイタナに話しかけていた、
シェイタナが生きていたか分からない
ポワロ「あの中の一人が自分を殺すと睨んだからでしょう」
→4人は過去に犯罪を犯しただろう、その事件を洗い出せば特徴もつかめる
探すべきは衝動的で危険を冒してでもチャンスをものにする人物
4人に同じ質問をして性格を探るポワロ
・医者のロバーツ ブリッジの説明はできなかったが、
部屋の装飾などの詳細を詳しく語った
・探検家のデスパード少佐 部屋の装飾はペルシャ絨毯だけ詳細に語る
・ロリマー夫人 ブリッジの説明は詳細にできるが、
部屋の装飾についてはほとんど覚えていない
・アン・メレディス ブリッジについては聞いていない、
部屋にあった宝石については覚えている
4人が過去に犯した罪
・医者のロバーツ:不倫関係にあったクラドック夫人が
旅行先のエジプトで敗血症で死亡
(真相:?)
・デスパード少佐:アマゾンの奥地を探検中に同行していたラクスモア教授が
熱病で死亡し現地に埋めた
(真相:ラクスモア夫人と不倫関係にあり、
ラクスモア教授が現地で合成麻薬の研究を自分で実験、
錯乱状態に陥り夫人を殺そうとしたため、やむを得ず銃で撃った)
・ロリマー夫人:最初の夫(アンの父)を階段から突き落とした
(真相:2番目の夫と結婚したかったから)
・アン・メレディス 住み込みで働いていたころ、
主人が間違って研磨剤を飲んで死亡
(真相:生活が大変なため盗みを働くことがあり、
主人のものを盗んだことを見つかった)
ウィラー警視の様子が不安定
・シェイタナが人生の半分をエジプトで過したことや
シリア人であることを知っている
→ウィラー警視はファイルを見たと呟いた
→シェイタナの写真にはウィラー警視が写っていた、
それは彼の社会的立場を脅かすものだった
事件解決への糸口:医者のロバーツの秘書
・ロバーツは女好きだが自分のことは口説いてくれない
・仲のいいブリッジ仲間がいて、部屋に鍵をかけて何時間も練習している
シェイタナのポートレートを取っていたカメラマンに会いに行く
・カメラマンはシェイタナから「誰か訪ねてくる」と伝言していた
・受け取った写真を見て驚くポワロ「青天の霹靂だ」
ポワロが紐解いた今回の事件の全容
シェイタナは自分で睡眠薬を飲み、事件が起こるのを待っていた、
ポワロが事件を解決するかどうか、これは彼にとってゲームでした。
犯人は医者のロバーツでした。
クラドック夫人はロバーツが
彼女の夫と性的関係にあることを知られたため殺しました。
彼はブリッジの練習相手として会っているというのが表向きの理由でした。
クラドック夫人はこのことを世間に暴露すると脅し、
エジプト旅行に行くための予防接種をする際にわざと汚染した針を使い、
旅行先で敗血症をおこしました。
クラドック夫人はエジプトで出会ったシェイタナに
ロバーツのことを打ち明けていました。
ポワロの手元には彼が撮った写真がありました。
(ポワロはロバーツが写っているようにみせかけた)
シェイタナがディナーの席で言っていた「重大な発表」で自分のことを暴露されると思い、睡眠薬で眠っているシェイタナを部屋にあった鋭利なナイフで殺害しました。
★★★★★★★★★
今回は被害者自身が死を望んでお膳立てをするという、
なかなかない展開でした。
ウィラー警視がどんな写真を撮られていたのか気になりますね。
あれだけ堂々としていたウィラー警視が
ラストシーンでは頼りなさげな男といった感じに見え、
役者さんの技量を感じました。
またアンのルームメイトはアンに主人殺害の罪を匂わせ
(本当は研磨剤の入った瓶は彼女が置いた)、
自分の配下に置こうとし、
デスパード少佐が近づくとアンを殺そうとするという、
その展開にも驚きました。
色んな要素が絡み合っていて、面白かったです。
事件を4人で調査するという構図も面白かったです。
オリヴァ夫人、率直ではっきりしていていいですね!
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