2023年1月18日(水)の「名探偵ポワロ」は「雲をつかむ死」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
今回も長編です。
今回はバカンスでフランスに滞在して美術館巡りをして本人曰く魂に栄養を与えていました。
事件の概要
フランスからイギリスに帰る飛行機の中でマダム・ジゼルが死んでいた。
彼女の足元には吹き矢が落ちていて、首元には赤い跡が残されていた。
機内にはポワロを含め7人の乗客が乗っていた。
機内にはハチの死骸があり、ポワロの前の席に吹き矢の道具が差し込まれていた。
ポワロはジャップ警部と事件を捜査することになった。
機内に居合わせた6人の乗客
・マダム・ジゼル(被害者)上流階級専門の金貸し。
・レディ・ホーバリー(セシリー)ギャンブルやお酒を好む女性、マダム・ジゼルに借金がある。
・ベネシア セシリーと夫の友人。
・ノーマン・ゲイル 歯科医。
・ジャン・デュポン 考古学者、ハチをコーヒーのカップで潰す、様々な種類の吹き矢を持つ。
・クランシー 推理小説家、小説のネタに使ったということで吹き矢に詳しい、自宅に事件と同じような吹き矢を所持。
ポワロにかわいい助手が誕生
フランスで偶然出会った女性はポワロが乗った飛行機の客室乗務員のグレイでした。
そんな彼女にポワロは調査のお手伝いを頼みます。
図書館でクランシーの著書を借りてくる、速記ができるふりをしたクランシーを訪問する、フランスでマダム・ジゼルのメイドとの面会に同行させたり、超忙しいです。
ストーリーの順番
①マダム・ジゼルが死亡した後自宅を捜索したがメイドが手紙類を処分した後だった
➁マダム・ジゼルに借金があったレディ・ホーバリーを警察は疑う
➂マダム・ジゼルの娘を名乗る女が現れる
(彼女は名乗り出る直前誰かと結婚をしている)
④ポワロとジャップ警部がフランスに飛んで捜査するが、マダム・ジゼルの娘が迎えにきたアメリカ人と出かけ列車で殺害された
ポワロが解き明かした事件のパーツ
・マダム・ジゼルが毎回乗っていた飛行機の便は満席だったとメイドは話したが、本当はアメリカ人の男がその便はすでに満席としてほしいと4000フラン払った。
・フランスで吹き矢を買った男はアメリカ人と店主は証言
・機内でソーサーにスプーンが2つあったと他の客室乗務員が証言
・マダム・ジゼルの娘、アン・リチャーズを見てポワロはどこかで会ったような印象を持つ
・レディ・ホーバリーはマダム・ジゼルに自身のスキャンダルをネタに借金の返済を迫られていた(夫はもう資金を出してくれない上に夫が思う以上の借金の額だった)
・「爪が割れた」というクレイの言葉にレディ・ホーバリーのメイドがアン・リチャーズだったと気づいた
・グレイと仲が良くなっていた歯科医のノーマンにアメリカ人に変装させてみる
関係者を集めて事件の謎とき
マダム・ジゼルが殺された後、すぐに関係者6人(レディ・ホーバリーの夫ではなく俳優中仲間のレイモンド)を集めて謎解きが始まりました。
犯人は歯科医のノーマンでした。
所持品にあった白衣を着て、医療用脱脂綿を口に詰めて乗務員に変装しました。
スプーンをひとつ持ってマダム・ジゼルの席へ行き、スプーンを置きに屈んだとき、首に吹き矢の針で毒を差し込みました。
動機はマダム・ジゼルの莫大なお金でした。上流社会に憧れていた彼はレディ・ホーバリーを見知ってメイドのアンと親しくなります。アンは自分の母親がマダム・ジゼルだと打ち明けます。マダム・ジゼルを殺し、アンと結婚することでその遺産を得ようとしました。
アンがポワロと会ったことを知り、レディ・ホーバリーのメイドであることを悟られないように毒を飲ませて殺しました。
ポワロがノーマンの犯行に気づいたきっかけはハチを忍ばせることができる空のマッチ箱を持っていたことからでした。
今回の名シーン1(ポワロがノーマンをワナにかける)
ノーマンは犯行を否認します。
ポワロ「ムッシュ・ゲイル。毒の容器にあなたの指紋があったんです。」
ノーマン「出鱈目もいい加減にしてくれ。僕は手袋・・・」
ポワロ「手袋をしていたんですね。その通り。どうも」
ノーマンはグレイを見て視線を落とします。
ポワロはノーマンの持つグラスを受け取ってジャップ警部に頷きました。
今回の名シーン2(ポワロがグレイを慰める)
ポワロ「あの人(ノーマン)を好きでしたか?」
グレイ「ええ」
ポワロ「彼もあなたが好きだと思ったんですね、でもそれは違いますよ」
グレイ「分かってるわ」
ポワロ「ノンノン、好きだったのではなく、愛していたんです。彼の目がそれを語って
ました」
冒頭からグレイとノーマンは惹かれあっていく様子がありました。
それをずっとポワロは見ていました。
泣いているグレイに一言伝えたかったんでしょう。
【番外編①】ポワロはアバンギャルドの愛好家
ポワロはフランスで美術館巡りを満喫しています。
意外と言ってはなんですが、ポワロはシュールレアリスムに詳しいんです。
【番外編➁】ポワロは飛行機が苦手
フランスの美術館に行きたいがために苦手な飛行機に乗ったようです。
ひざ掛けを胸の下から巻いて、離陸の瞬間はぎゅっと目を閉じていました。
離陸すると気が緩んだのか眠ってしまいました。
確かにポワロが乗っている飛行機はなかなかスリリングでした。
【番外編➂】ポワロとジャップ警部のおしゃれなランチ
ポワロは飛行機に乗る前は何も食べられませんし、乗っている時も何も食べられません。
今回ジャップ警部ともう一度フランスに飛ぶことになったポワロは、フランスについてからジャップ警部とランチをとりました。
外でおしゃれな赤いパラソルの下、小さめのテーブルいっぱいに料理とワインが並んでいます。すごくおしゃれな雰囲気で、こんな所でランチしたら楽しそうです。
とは言っても、二人はおしゃれなランチ自体を楽む様子はなく、事件について意見を交わしています。
途中ポワロの言葉にジャップ警部は黙って本気で怒ってしまいましたが、そこはポワロが言い過ぎたと謝っていました。
喧嘩できるほど仲がいいって事ですね。
【番外編④】ポワロが500ポンドの寄付を申し出る
乗客の1人のデュポンはグレイに強引に接近してお金持ちのポワロへ自分の発掘調査への寄付の橋渡しをしてほしいと言いました。
グレイは強引なデュポンにあまりいい印象は持ちませんでしたが、なぜかポワロは寄付することを決めました。
★★★★★★★★★
今回は事件以外に気になることがそのまま残ってしまいました。
まず本当にポワロは考古学者のデュポンに寄付をしたんでしょうか。
ドラマではどうして寄付をする気になったのか、そのあたりは描かれないままでした。
もう一つ、ホーバリー夫妻はその後離婚したのでしょうか。
ドラマではレディ・ホーバリーは夫のスティーブンが友人のベネシアと親しくする様子を見ていました。
夫のスティーブンは妻に愛想を尽かしながらも事件についてはかばってみたりとなんとも優柔不断な様子。
ベネシアはきっとスティーブンが好きだと思いますが、彼女にも煮え切らない態度でした。
はっきりいってレディ・ホーバリーはギャンブル狂なのでこれ以上結婚生活を続けていると彼の資産は無くなってしまうことに早く気がついてベネシアと結婚したほうがいいとは思いますが、おとなしい彼女にちょっと物足りなさを感じているのではないかと思いました。
最後にアシスタントで大活躍したグレイが可哀想でした。
名探偵ポワロ 毎週水曜夜9時~ BSプレミアム
見逃した方はU-NEXTでどうぞ。今なら31日間無料体験。