2021年9月1日(水)の「英雄たちの選択」は「天平パンデミック」天然痘についてでした。
今から1300年前も前に平城京は「青丹よし 奈良の都は咲く花の匂うがごとく今盛りなり」と詠まれるほどの繁栄をみせていました。
そこに大宰府から天然痘が流行り出します。
貿易として栄えた町から感染者が出てきて、とうとう奈良の都まで到達してしまいます。
日本中で猛威をふるい、国民の三分の一が亡くなったとも言われています。
当時はもちろん特効薬はありませんから、時の天皇である聖武天皇も色々なことをしたそうです。
そのときに衛生管理の概念ができたと言われています。
またそれまでは大皿に料理をよそって、そこから小皿にとって食事をとっていたそうですが、最初から小皿に分けたスタイルが生まれたそうです。
日本が一人一人に食事をよそう文化って、こんなに前からあったことなんですね。
でも薬はないので天皇は神頼みをしますが、もちろん効果はありません。
当時宰相であった橘諸兄は疲弊した農民のため税の負担を減らし国力の回復をはかりますが、天皇は仏に守ってもらうことで国民を守ろうとします、がそれには莫大なお金がかかります。
なんだか今に通じる話です。
パンデミックが起こると経済にダメージが生じる、政府はそれをどう立て直すべきかという問題です。
天然痘が流行る前は「咲く花の匂うがごとく」とまでの繁栄ぶりだったのに、聖武天皇の晩年には大仏の建立など天然痘の終息の祈願と財政問題が大きな問題となるとは天国と地獄を見るような状況です。
結局天然痘が治る病気になったのは江戸時代になってからなので、だいぶ時間がかかりました。
でも今また違うパンデミックが起こっていて、またこれを克服するのに何年と時間を要することになるんでしょう。
天然痘の話と言われると聞き流しそうですが、パンデミックと言われると真剣に聞いてしまう自分がいました。
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