2022年3月2日(水)の「シャーロック・ホームズの冒険」は「ボスコム渓谷の惨劇」でした。
これはかなり見ごたえがあって面白い作品だったと思います。
以下感想とネタバレです。
冒頭はワトソンが川釣りを楽しんでいると、上から声をかけられます。
ホームズでした。ワトソンは休暇を利用してロンドンを離れていたようですが、そこにホームズが現れたので驚きます。
ホームズは今新聞沙汰になっている事件の件で、その一帯のオーストラリア出身の大地主ターナーの娘アリスから依頼を受けたから一緒に行こうを誘います。
この時のホームズがなんともいじらしくてかわいかったですね。
誘ってますが、もう行先の宿は二人分で頼んでいたり、行くこと前提になってるあたりもかわいいですね。
宿の手配や事件の関係者への聞き込みなどはサマービー警部が仕切ってくれました。
ワトソンは彼はホームズに心頭していると言っていましたが、しかし今回の事件の犯人は息子で間違いないというスタンスを崩していませんでした。
つまりホームズが殺されたマッカーシーの息子のジェームスの無実を信じているアリスからの依頼で来ていることは知っていて、幾度となくホームズに事件は単純明快だと話します。
ホームズは関係者の農場の人間に話を聞くと、その後アリスと話をします。
ジェームスと父親が口論していたと聞くと、それは自分のことだろうと話します。
マッカーシーはアリスとジェームスが結婚することを望んでいましたが、彼女の父親のターナーは大反対で、ジェームスも拒んでいるとのことでした。
しかしホームズに問われるとジェームズを愛していることをはっきりと言いました。
ホームズはアリスからジェームス宛の手紙を受け取ります。
ボスコム沼のほとりで農園主のマッカーシーが殺され、直前に彼と口論していた息子のジェームスが逮捕されていました。
彼が口論の理由を言わないことも原因となったのか、彼に不利に裁判が進んでいきます。
刑務所で会うと、最初警戒していましたが、アリスからの手紙を見せるとリラックスした様子になりました。
ジェームスは事件について話しますが、口論の内容については彼女の名を法廷で出す訳にはいかないと口を閉ざしたそうです。
アリスと結婚できない理由と問われるとすでに結婚していることを告白しました。
大学に入り酒場で酔った女と結婚届を出したそうです。
ジェームスはこの秘密を誰にも言うことができず、アリスとの結婚にも踏み切れませんでした。
しかし自分が逮捕されたことで、その酒場の女から連絡が入り、自分には旦那がいるととを知らせてきたそうです。
それだけはよかったとジェームスは力なくつぶやきました。
事件現場のボスコム沼で、足跡やたばこの灰から、犯人は左利きで、右足が悪く、たばこはパイプのようなものを使って吸う人物であることを特定します。
宿に戻ると、手紙で呼び出した相手が訪ねてきました。
それはアリスの父親でその地域一帯の大地主のジョン・ターナーでした。
ホームズはマッカーシーのことは分かっていると切り出します。
ターナーは力が抜けたようにソファに座りこみます。
彼は長く病を患っており、余命はあと一か月と言われていると答えました。
彼はオーストラリアのバララットという場所でゴールドラッシュで金鉱を当てることを目指していたが、当たらず追いはぎのようなことをしていたそうです。
そういう中、ある従者を見逃したのですが、それがマッケンジーでした。
結局追いはぎする中で金を手に入れてイギリスに移り住んで娘を授かりました。
そんな時にマッケンジーが息子を連れてやってきて、ターナーを脅すように自分の世話をするようにと言ってきました。
マッケンジーは何から何までターナーの世話になりました。
最後に望んだのが自分の息子がターナーの娘と結婚してターナーの財産をすべて自分のものにすることでした。
ターナーはあの事件が会った日、マッカーシーと子どもの結婚のことを話し合うためにボスコム沼にいました。しかしアリスのことを侮辱するような発言を息子に対してしたマッカーシーに殺意を覚え、石で後頭部を殴打して殺しました。
罪を告白するとホームズは天を仰ぎました。
ターナーは娘のことがなければ自首するつもりだった、ジェームスの裁判がもっと不利に進むようなら名乗り出るつもりだったといいました。
ホームズはターナーにジェームスが有罪になるようなことがあれば、ワトソンが告白の内容を記載した自白書を裁判所に提出するが、そうでなければ秘密は永遠に守られると言いました。
それを聞くと、ターナーは一時の安らぎを与えてくれて感謝することを述べて去っていきました。
ターナーはその後亡くなったことを新聞の記事で知りました。
ジェームスはホームズの出した意見書が功を奏して無罪釈放となりました。
ホームズとワトソンが迎えに来る中、晴れやかな表情でジェームスは裁判所を後にしました。
その姿を制服姿のサマービー警部が見送っていました。
(最初は分かりませんでした)
ジェームスはアリスの屋敷で馬車を降りると、アリスに結婚を申しこみます。アリスはもちろん承諾して二人は寄り添って屋敷に戻っていきました。
ホームズは自宅で故ジョン・ターナーがサインした自白書を燃やしました。
今回は出てくる俳優さんの演技が素晴らしくて引き込まれました。
ジェームスは本当にのんびりしたいいヤツといった感じで、刑務所では追い詰められた表情でしたし、アリスはしっかりしていて、ジェームスのことをちゃんと愛しているとホームズに伝えるし、またその表情が戸惑いながらもちゃんと自分の気持ちをいう感じがよく出ていました。最後に出てきたジョン・ターナーが罪を告白するシーンは迫真の演技でした。
ターナーは余命幾ばくもない老人ということで、罪を告白するシーンまでドラマに登場していませんでした。
たった一度出てきたシーンが罪を告白するシーンでした。
そのまばたきもしない演技にすっかり入り込んでしまいました。
また事件がロンドンではなく、郊外で発生したので宿の景色がたびたび移りますが、素敵な宿でした。
ワトソンがディナージャケットでしょうか、赤いコーデュロイのようなジャケット姿で議論する姿はちょっとかわいかったです。
なんとなくホームズも居心地がよさそうでした。
ラストシーンで無罪になったジェームスを見送るサマービー警部の姿もよかったです。
ちゃんと馬車の中にいるホームズに合図をして、馬車が行ったあとの表情はやっぱりホームズを尊敬している雰囲気に見えました。
今回の「ボスコム渓谷の惨劇」は出てくる俳優さんのレベルがとても高く見どころ満点でした。
とてもよかったです。
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