2022年5月8日(日)の「ポツンと一軒家」は以前伺ったポツンと一軒家の主から紹介されたお宅でした。
以下感想とネタバレです。
今回のゲストは渡辺正行さんと吉本実憂さんでした。
渡辺さん、痩せましたね!
脚なんかちょっと細すぎるぐらいです。
ゲストを交えて今回訪れるお宅の衛星写真をチェックします。
複数の建物やビニールハウスが建っているのを見て所さんは自家用野菜を作っていると予想すると渡辺さんは猪が出没するのではと考えます。
すると吉本さんはいちご農家ではないかと言い、所さんは写真にある点々としたものは桑で養蚕農家ではないかと予想していました。
今回目指すポツンと一軒家から7キロ離れたポツンと一軒家に以前お邪魔したことがあるそうです。
「今回もそのパターンか」と林先生がつぶやきました。
一人で30年実家を守る那須さんは5年前心筋梗塞や脳出血を発症するも山の上に住み続ける生き甲斐があり、それは年に一度地元の春祭りで行われる神事である的射(まとい)に参加することでした。
この取材のときに
「ほとんどポツンポツンだから」と教えてもらったのが今回のお宅でした。
今回探すお宅の主も那須さんということで親族かと思いきや関係ないそうです。
「あー、九州那須さんって多いんですよ」と渡辺さんが言いました。
那須さんに今回捜索する主のお宅の道を教えてもらい、後日訪ねることにしました。
麓の小学校を通り過ぎてしばらくすると家が無くなりました。
すると那須さんから教えてもらった目印の携帯電話のアンテナがはるか向こうの山の上に見えました。
キレイに舗装された道を進むと教えてもらった通り橋を渡る道を見つけました。
橋を渡ると急に景色が変わって、道には落石があります。
また道の側面が崩れてきている部分もありました。
つづら折りの急な上り坂が続くと今度はもっと大きな落石を見つけました。
とがった石を踏まないように、薄暗い細い山道を進むと景色が開けてきました。
すると一軒家を発見することができました。
捜索隊が車を降りるとすぐ人が見えました。
おばあちゃんに声をかけると少し耳が遠いようです。
主のお母さんですかと聞かれるとおばあちゃんはにっこり笑いました。
所さんが「この人ジブリに出てきたでしょ」というと
吉本さんが「トトロのおばあちゃん」といいました。
となりのトトロに出てきたおばあちゃんに似ているそうです。
主は仕事に出ているというので帰ってくる夕方に出直しますと名刺を置いて帰りました。
おばあちゃんは「また来てください」としっかりした口調で言いました。
夕方もう一度伺うと、今度は奥さんらしき女性の姿が見えました。
話を伺うとその人は奥さんでもうすぐ主人は帰ってくると言った矢先、トラックが見えました。
捜索隊が降りた男性に声をかけてテレビ局の者だと名乗ると
「とうとう 遂に」とポツンと一軒家の主は笑いました。
主は那須義定さん65歳でした。
那須さんと一緒に帰ってきたお仕事仲間の人に挨拶してお宅の奥に歩いていった捜索隊は牛を見つけました。
牛は繁殖用で子牛をせりに出すそうです。
親牛2頭はすごく立派な牛でした。
このお宅は那須さんの実家で主で7代目ということでした。
家は築100年は建っていると思われるそうで、昔は茅葺き屋根だったそうです。
仕事は林業一筋43年ということでした。
那須家の次男として生まれたが、長男さんは早くに亡くなられたため林業と黒毛和牛の繁殖で生計を立てたそうです。
元々は近所に5軒ある集落だったそうですが、30年前に隣のお宅が山を下りて那須家が一軒残ったそうです。
主は小学校まで5キロ歩いて通い中学校は全員寮に入ったそうです。
すると機械の音がして、主の奥さんが牛のエサを作り始めたところでした。
機械で藁と牧草を細かく切ったエサを与えています。
子牛には名前がついており、やはり愛着が沸いてかわいいそうですが、経済的には出すよりほかありません。
親からの血統がいい牛だとメスで100万の値がつくそうです。
主の牛は70万はいくけど80万はいかないというのが相場だそうです。
すると他の家畜も見せてくれました。
捜索隊が見つけた鶏は烏骨鶏というが、主は顔が白いからチャボではないかと考えているようでした。
産んだ卵はお宅で食べるそうです。
捜索隊が専門家に確認するとチャボでも烏骨鶏でもなく雑種ということでした。
他にも棚田が4枚あって、家族で食べる用ということでした。
肥料として牛のふんを置いたところだけ草が生えないそうで、それが衛星写真ではぽつぽつと見えたようです。
あとは牛のエサになる牧草を種をまいて育てているそうで、イタリアンという名前だそうです。
するとさきほどのおばあちゃんが捜索隊のためにお茶と味噌漬けを出してくれました。
捜索隊が味噌漬けをいただくと、ポリポリといい音がしました。
那須さんがご飯に合う味だというと、捜索隊もそうですねと答えます。
すると那須さんがとうきびめしというトウモロコシの入ったご飯の話をしてくれますが、捜索隊は知りません。
するとご飯を出してくれることになりました。
白いご飯にとうもろこしのつぶがぽつぽつと入っています。
乾燥したとうもろこしを臼でひいて作るそうです。
捜索隊が食べるととうもろこしのぷちぷちした感じがするそうです。
それよりも驚いたのがご飯がとても美味しいということでした。
もちろん味噌漬けとも合うそうです。
捜索隊が収穫したお米を吊るすハゼ掛けの話をすると、那須家では今でもやっていると言いました。
ハゼ掛けは稲藁に残った養分を吸収し追熟するため機械乾燥した米よりも旨みが増すそうです。
主の父親であるおじいちゃんは23年前に腎臓病を患って今は週3回病院に通うそうですが、母親であるおばあちゃんは19歳で那須家に嫁いで、86歳の今でも元気いっぱいです。
ビニールハウスでは数年前までトマトを生産して出荷していたそうですが、今では家族が食べる分だけ育てているそうです。
おばあちゃんは野菜が育つのが楽しみで忙しいと笑って言いました。
捜索隊は主が休日の日に訪ねると、主の長男夫婦が車でやってきました。
長男さんは大学卒業後林業を継いで、毎日主と一緒に仕事をしているそうです。
この日は長男夫婦が来ると、すぐに車で出発しました。
すると大勢の人が集まる場所にきました。
今日は春祭りにむけて年が明けて初めてみんなで矢を射る弓の口開けといって、的射の合同練習の日だそうです。
的射(まとい)はこの地域で400年ほど前から行われている春祭りの神事で、無病息災と家内安全を祈願し32・5メートル離れた直径36センチの的を射る儀式です。
すると参加者の方が364年使っている「神の的」のことを教えてくれました。
毎年一枚重ね貼りしていった的なので、後ろ側は紙が重なっている様子がよくわかりました。
神事で使われる的で、競技用とは別だそうです。
的射には神事として行われるものと、その年の優勝者を決める競技もあるそうです。
すると捜索隊が見覚えのある顔を見つけました。
今回のポツンと一軒家の主を紹介してくれた那須さんでした。
那須さんも今日の参加者で、みんな準備を始めだしました。
畳が一列に並べられたので、捜索隊が場所によって有利不利はあるのかと聞くと、みんな平等だけど、一番端と真ん中は決められた人が射るそうです。
端はこの射場を進行する人で4年前から主が進行役だそうです。
真ん中は審判のような役割ということでした。
主が準備ができたみなさんに声をかけます。
「まずは射場を借りてたもれ」
そういうと、まずは主が続けて2本弓を射ると、他のみんなが立ち上がって一斉に矢を放ち始めました。
参加者15人ぐらいで矢を放つと的がみえなくなるぐらいになるので、そうすると一旦中断してみんなで矢を抜きます。
朝の9時から弓を引き始め、お昼ご飯もその場で食べて午後5時まで練習するそうです。
「ずいぶんやるね、練習」と所さんもびっくりです。
食事は参加者の奥さんたちが持ち寄ったおでんやとうきびめしのおにぎりや赤飯のおにぎり、他にも主の奥さんはお肉を焼いたりしたものが出るそうです。
ひとしきり食べると「おーし」と声がかかって、また的射を始めます。
すると今年は主の一人息子から母屋の裏手に家を建てるという嬉しい知らせがあったそうです。
主もおばあちゃんもニコニコして話してくれました。
息子さんは家族と近いほうが安心だからと奥さんも反対はしなかったと話してくれました。
これからみんなで一緒に暮らすことを楽しみに毎日の仕事に励んでいるそうです。
スタジオでは渡辺さんが昔自分が経験したお祭りのときの楽しみについて話してくれました。
林先生が以前はハレの日とケの日という日常と非日常がはっきりした暮らしがあったけれど、今はのっぺらぼうだと話すと、
「メリハリのある暮らしいいですよね」と所さんも答えました。
「単調な日常があるからこそ、お盆とかお祭りとかがすっごくうれしいんですよ」と渡辺さんが話してくれました。
この地域の人がお祭りを大事にするのも、そういうことなのかなと思います。
もちろん的を射るという競技自体も面白いということもあると思いますが。
今回はこれから息子夫婦が家を建てて引っ越してきて家を継ぐという希望に満ちたお話で、それを親ではなく子供からそう考えたというところがまたいいですね。
おじいちゃんもおばあちゃんも長生きして、みんなで寄り添って楽しく生活してほしいなと思いました。
ポツンと一軒家 毎週日曜夜7時58分~ テレビ朝日
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