2023年1月25日(水)の「名探偵ポワロ」は「愛国殺人」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
今回も長編です。
冒頭に子どもが道端で遊んでいるシーンがなんともダークな印象を与えています。
これはマザー・グースの童謡の一節で、20の数え歌の歌詞が原作では各章のタイトルに使われていますが、ドラマではあまりそのあたりを感じるのは難しいですね。
それよりもグラントが頭取を務める銀行に飾られている絵、あれはまさしくレンピッカの絵を真似たもので、この事件の象徴のように感じます。
今回は殺人事件が起こる原因となる出来事の前から始まって、事件の原因となる出来事、殺人の流れの中にポワロが登場するという感じで、いつもと全く違います。
ちょっと古畑任三郎っぽい、というか刑事コロンボ風な感じもあります。
事件の発生順
①歯科医のモーリーが診察室で頭から血を流して死亡、手には拳銃
➁事件当日モーリーの予約表にあったアンベリオティス氏が滞在していたホテルで同日死亡、歯科医も使う麻酔薬の過剰投与か
➂事件当日モーリーの予約表にあったミス・セインズベリーシールが行方不明となる
・チャップマン夫人の部屋で見つかった顔が分からないぐらい傷つけられた遺体はミス・セインズベリーシールドの身なりや靴だったが、歯型からシルビア・チャップマンと判明
歯科医モーリーが亡くなった日の予約
11時 ポワロ
11時半 ブラント氏
11時45分 ミス・セインズベリーシール
12時 アンベリオティス氏
12時半 ピナー夫人(先生に待たされたと怒って帰る)
13時半 ボーイによってモーリーの遺体を発見
ポワロが感じた事件の違和感
歯科医モーリーが亡くなった当日、ポワロは病院の前で靴のバックルを落としたミス・セインズベリーシールと出会います。
ポワロが見たのは上等なストッキングに新しいエナメルの靴を履いたミス・セインズベリーシールでした。
しかしチャップマン夫人の部屋で見つかった遺体の女性の服装は、ミス・セインズベリーシールではあったものの、足元は安物のストッキングに履き古された靴を履いていました。デザインは同じです。
事件当日に新しい靴を履いていた女性が、その日の夕方チャップマン夫人の部屋を訪れた時は古い靴に変わっていたことにポワロは強烈な違和感を感じました。
事件の真相をブラント氏が頭取を務める銀行で明かす
犯人は銀行家のブラントでした。共犯は最近雇った秘書のヘレンでした。
ヘレンの本名はガーダでインドで女優として活躍している頃グランドと出会い結婚、
その後グラントは資産家の娘と結婚した。
ガーダは重婚を認めました。目的はお金でした。
ガータはずっとチャップマン夫人として生活していました。
昔インドで同僚だったミス・セインズベリーシールとブラントが偶然歯医者の前で出会い、その話を帰国する船で一緒だったアンベリオティス氏に話したことから、ブラントはアンベリオティス氏に強請られました。
ミス・セインズベリーシールはブラント氏から聞いたガータの家へ向かいました。
ガータは彼女を招き入れ殺害しました。しかし歯科医のカルテを入れ替えられ、チャップマン夫人の遺体と確認されました。
歯科医のモーリーは殺人事件の現場として選ばれ、ブラントによって殺害されました。
歯科医のモーリーが亡くなった日に起こった事
11時30分より後 ブラント氏は治療後にモーリーを銃殺
11時45分 ミス・セインズベリーシールに扮したガータが診察室に通される
チャップマン夫人とミス・セインズベリーシールのカルテを入れ替える
12時 アンベリオティス氏が診察室に入る
歯科医に扮したブラントが致死量の薬を注射
ヒゲの紳士(アンベリオティス氏)が階段を下りていく(カーターの証言)
もう一人の紳士(ブランド氏)が階段を下りていく(カーターの証言)
12時半 モーリー氏の秘書の恋人カーターが診察室に入る
モーリーの死体を発見、遺体は冷たくなっていたと証言
ブラントは自分は銀行家として国に貢献したと発言しますが、ポワロの信念が揺らぐことはありませんでした。
事件解決も残る疑問・・・
・なぜブラント氏はミス・セインズベリーシールを探すようポワロに依頼したのか
ブラント氏は歯科医モーリーの秘書の恋人だったカーターを自分の身代わりにするため、カーターを自分の庭師に雇い、ブラント氏に発砲したように見せかけ、秘書との交際をよく思っていなかったモーリーも殺害したと罪を着せ、警察に拘留されました。
身代わりを用意したのに、どうしてこのような発言をしたのでしょう?
【番外編】週末のジャップ警部の過ごし方
今回はヘイスティングスもミス・レモンも登場しないので、いつものメンバーではジャップ警部だけです。
ポワロが事件について話すためジャップ警部の自宅を訪れます。
ジャップ警部はシャツにサスペンダーという恰好で庭の剪定をしています。
急に訪ねてきたポワロにお茶とお菓子?を出しますが、ニオイがおかしかったのか手をつけないポワロ。
でもジャップ警部は気づかずお茶を飲んでお菓子をがしがし食べていました。
週末のジャップ警部って貴重です。
ちなみにやっぱり奥さんは外出中とのことで、姿を見る事は叶わず。
★★★★★★★★★★★★★★
冒頭のインドのシーンでのブラント氏とイギリスでのブラント氏の雰囲気がかなり違うので、同一人物とは気づきませんでした。
また最初に現れたミス・セインズベリーとポワロの目の前に現れたミス・セインズベリーシールも別人ですが、最初はよく分かりませんでした。
秘書のヘレンも何度か登場していますが、ヘレンと偽物のミス・セインズベリーシールが同一人物となかなか気が付きませんでした。
今回は役者さんってすごいなと素直に感心しました。
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