2024年9月13日(金)の「にっぽん百低山」は「石上山・岩手」でした。
以下、まとめと感想と少しネタバレです。
撮影時期:6月中旬
最寄り駅:JR遠野駅
今回登る山:石上山(標高1037メートル)
今回のゲスト:山川恵里佳さん(タレント)
今回のルート:登山口~姥石~小さな祠~中之堂~山頂
遠野は古くから様々な物話が語り継がれてきた民話の里です。
それを民俗学者の柳田国男がまとめたものが遠野物語。
カッパや天狗など人ならざるものが闊歩する不思議な世界や、
人をさらう山男など山は恐ろしい場所として描かれています。
今回登る石上山は女神が棲む山として描かれているそうです。
入り口が素人にはわからない・・・
前回に引き続き山川さんと合流して自然と歩き出しますが、そこ行きますか?
って感じでした。
登山道というか平坦で切り開かれた道というか、ちょっとよくわかりません。
類さんは難なく分かるんでしょうが。
かなり平坦な道で木が生い茂り緑のアーチになっていました。
これはキレイですね。
遠野物語に登場した姥石
遠野物語 一二(捨遺)
女人禁制だった石上山に巫女が牛に乗って登ってきた。
自分は神を探すものだから差し支えないという。
するとにわかに大雨風が起こり巫女は吹き飛ばされた。
飛ばされた巫女は石になり今も山中に佇んでいる。
姥石は山道のすぐ横に佇んでいました。
そういう話を聞くととても神妙な気持ちになっちゃいますね。
沢沿いの道を進む
この日は天気がよく木漏れ日でも結構強い感じがします。
緑がとてもきれいです。
二人がいうように鳥や虫の声がすごく聞こえます。
遠野物語にも石上山で聞こえる音についての民話があるそうです。
小さな祠は女神を祭っている
本当に小さな祠が苔むした石の上に置かれていました。
その先は女神が棲む聖域の証で、なかなかの急登です。
シダ類が茂っていて足元も重たそうです。
山川さんがふくらはぎに結構くると言っていましたが、いや相当くると思います。。。
傾斜もどんどん急になってきて山道もあいまいだったりするので、
これは類さんじゃないと分からないかもです。
中之堂のお堂にあった女神の札
お堂の中の高い場所にお札があり、そこには3人の女神が描かれていました。
それは遠野を代表する石上山、早池峰山、六角牛山をおさめる神でした。
遠野物語 二
ひとりの女神が三人の娘を連れて遠野に降り立った。
女神は娘たちに「今夜良い夢を見た娘に一番美しい山を与えよう」といい、
その日良い夢をみた証に姉の布団の上に花が降りてきた。
しかし一番末の娘がそれを奪い、遠野で一番美しい早池峰山が与えられた。
石神山と六角牛山を与えられた二人の姉には強い恨みが残った。
女神たちは今もそれぞれの山に棲み、遠野の女性たちはその妬みを恐れて
山に入らないのだという。
これはなかなか怖い話でした。
特に良い夢をみた姉は納得いかないでしょう。。。
花を奪った末娘は特に何も天罰がないというのも現在に通じるというか、深いですね!
遠野物語には山の話が多く、恐ろしい場所として描かれています。
人にとって恵みの山である一方で獣や山賊が住む危険な場所だったため、
その戒めだったのではないかと考えられるそうです。
遠野はその面積の8割を山が占め平地が少ないです。
標高が高く寒く、夏でも寒い風が吹くことがあり、江戸時代には
何度も飢饉におそわれたそうです。
遠野は生活するのにとても厳しい場所だったんですね。
はしごが出てくる恐ろしい急登
中之堂を過ぎるとものすごい急登が現れました。
鉄のはしごがずーっと先まで続いています。
はしごは一人づつ登っていきます。
これが山道とはとても思えません。
その先も鎖を使ったり、大変な山道です。
山頂の印までたどり着きましたが、木々に覆われ眺望は全くありませんでした。
ドローンで見ると尾根のような場所で、山は本当にきれいに木々に覆われていました。
下山の後のお楽しみ:ジンギスカン羊丸
類さんは地元の米から作ったどぶろく、山川さんは遠野産ホップを使った
クラフトビールで乾杯です。
お酒のアテは遠野名物ジンギスカンです。
羊毛の生産をしていたため遠野では焼肉といえば羊を食べる習慣が
根付いているそうです。
今日はしっかり食べた感じですね。
今日の一句 鎖場の むかし童子や 汗光る 吉田類
★★★★★★★★★★★★★★
今回もハードな山でした。
全体的に山道は細めで最後の急登は相当なものだなと思いました。
鉄のはしごがなかった昔の時代はそれこそ登れないんじゃって感じです。
山川さんはよくあんな急登を登り切ったなと感心しきりでした。
にっぽん百低山 毎週金曜午後5時30分~ NHKBS
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